■お金がかかるキャンプなんて、どうなの!?

 自然のきれいな空気を吸い込み、雑事から解放されるひととき……。満天の星空の下で静かな夜を過ごし、魅力的な冒険がそこに待っている。それがアウトドア・キャンプ! しかしながら、ほんとに百万ドルかかるキャンプなんてシャレにならない。 道具を揃え、食材準備して、キャンプ場で1泊したらウン万を超えって、高級ホテルと変わらない値段……。

こんなにかかるなんて……、キャンプってなに!?(撮影:森本 昌樹)

 なんて、悩ましいのもキャンプ。しかしながら、この素晴らしい経験から遠ざかるなんてもったいない。 実は、低予算でキャンプを楽しむことは、初心者にとっても創造性と探求心をくすぐる絶好のチャンスだ! 誰もが手軽に挑戦できるプチプラなキャンプは工夫する楽しさを提供し、初めてのキャンプ体験を特別なものに変えてくれるだろう。

 テントや寝袋などの装備については、長期間使用と耐久性が必要なため、低コストを追求することにメリットがない。一方、食費をおさえることは、キャンプ経験を充実させるための要素である。最低限の安全と環境が整備されたキャンプ場で食事を賢く管理することで、予算を抑えた充実したアウトドア体験を追求する。今回はテント、寝袋などの装備があることを前提として、食事のコスト削減を中心に提案したい。

■予算を抑えるための戦略を考えよう!

 低予算キャンプを成功させるためには、計画と戦略が重要だ。まず、キャンプの場所を選ぶ際には、近場の公共キャンプ場や自然保護区を検討しよう。これらの場所は通常、宿泊料金が手頃で、基本的な設備を提供している。また、混雑を避けるためにハイシーズンではなく、オフシーズンを選ぶと費用を抑えることができる。

 そういう意味では、冬のキャンプは一般的に混雑が少なく、まさに自然環境を静かに楽しむ絶好の機会といえる。冬の自然の美しさを独り占めできることもあるだろう。ただ一方で冬のキャンプは寒冷であるため、寒さ対策は万全にしてほしい。

 今回は食費のコスト削減を主旨としたキャンプを計画するために、フローチャートを作成してみた(図1参照)。今回、計画した低コストキャンプにおいて、表1に100均やアマゾンなどで購入できる手頃なキャンプギアを紹介する。なお、今回は自作の焚火台を準備し、木炭は6kg(税込920円)を使用した。

自作の焚火台です(撮影:森本 昌樹)

 今回利用したキャンプ場は、兵庫県宍粟市波賀町にあるオートキャンプ場「フォレストステーション芳賀」。各区画サイトに炊事場付き(ガスコンロは無し。流し場のみ)で、AC電源のある無し関係なく5,500円(税込)で、600WまでのAC電源使用時は別途1,000円(税込)かかる。各区画サイトに炊事場が個別で付く場合は価格が高くなるため、共同の炊事場を使うことも可。

 電源については、キャンプ初心者に推奨したい。特に冬のキャンプでは、テント内で暖を取るために電気毛布を使えたりするため、有用である。なお、今回は個人で所有する600Wのポータブル電源を持ち込んだため、AC電源無しのサイトを使用した。

図1. キャンプ計画のフローチャート

注(1)600W以上のポータブル電源がお勧め

表1. 最低限のキャンプギア。これがあれば充分!

計9,623円
低コスト調理具一式をテーブルに並べてみた(撮影:森本 昌樹)