■食事は美味しくプチプラに

 キャンプで美味しい食事を楽しむことは、アウトドア体験の一部だ。しかし、高価なレストランやプリパックの食品を買う必要はない。自炊は予算を抑えつつ、満足度の高い食事を提供できる。今回は、バターチキンカレーを例に、お手頃な自炊の利点を探り、美味しいレシピを紹介する。

●バターチキンカレーのレシピ(2人分)

材料(食材は近所のスーパーで購入した。参考としてほしい)
・鶏むね肉:300g(税込318円)
・玉ねぎ:1玉(税込170円 ※3玉)
・あらびきブラックペッパー:少々(税込105円)
・トマトケチャップ:大さじ2(税込149円)
・プレーンヨーグルト:100ml(税込108円)
・サラダ油:適量(0円 ※自宅から持ち込み)
・バターチキンカレーのルウ:1/2箱(税込257円 ※ハウス)
・水:200ml
・牛乳:200g(税込127円)
・バター:2個(税込267円 ※8個)
・ミニトマト:10個(税込206円)
・お米:2合(0円 ※自宅から持ち込み)※必要あればお好みで、メスティンで炊き上げよう。
合計:税込1,707円

 

1. 鶏むね肉を一口サイズにカットし、ビニール袋の中に、プレーンヨーグルトとあらびきブラックペッパ
を適量、トマトケチャップを大さじ2杯程度入れてよくむみ、30分以上漬け込む。

ビニール袋に調味料を入れてよくもむ

2. 鶏むね肉を漬け込んでいる間、メスティンでお米を炊いておく。お米1合を洗い、メスティンに200mlの水と一緒に入れて蓋を開けた状態で15分程度吸水させる。

 15分後、蓋を閉め、レギュレータストーブで強火で加熱し、吹きこぼれはじめたら弱火にして10分ほど、火にかける。その間、メスティンの蓋のハンドルで蓋が開かないように固定する。今回は2合を炊くため、これを2回繰り返す。

3. お米を炊き終えた後、鍋(COOKER 3PIECE SETを使用する場合は一番大きな鍋)の一番大きな鍋にサラダ油を入れて、レギュレータストーブで、薄切りにした玉ねぎを中火で透き通るまで炒める。

玉ねぎがうすく透けてきたらOK

4. 漬け込んだ鶏むね肉を、漬け込んだ液ごと玉ねぎを炒めた鍋に加えて、弱火から中火で鶏むね肉に火が通るまでよく炒める。表面がこんがり焼き色がつくところが見極めのポイント。

鶏むね肉の表面がうすい茶色の焼き色がつく

5. 水を200ml入れて沸騰したら、あくをぬき、時々まぜながら弱火→中火で7分程度煮込む。

沸騰してくると茶色のあくが浮き上がる

6. いったん火を止めて、ルウを入れてよくかき混ぜ、溶け切ったら牛乳を200ml入れて更によくかき混ぜる。再び弱火で熱し、時々かき混ぜながら更に7分ほど煮込む。

カレーのスパイシーでこうばしい香りがひろがる

7. 火を止めて、お皿に盛り付けてからバターを加えて混ぜ、余熱で溶けたら完成。

メスティンで炊き上げたごはんにカレーをのせて、バターチキンカレーの完成!

 冬場のキャンプ場で温かいバターチキンカレーを美味しくいただいた。

■自宅から持ち込みの電気毛布でぬくぬく

 今回持ち込んだ600Wのポータブル電源に、自宅から持ってきた電気毛布を接続し、寝袋を温めつつ、テントの中でボードゲームを楽しんだ。これだけでもテント内は暖かく過ごせるので参考にしてほしい。

 また、レギュレータストーブを使ってホットワインを作り、これも飲みながら、美味しく、ほどよく身体を温める優れモノである。

■低コストキャンプは創造性を生み出す持続可能なアクティビティ!

 今回は、これから初めてキャンプを始めようという人に対して、テント、寝袋、そして焚火台がある前提で、低予算のキャンプを楽しむことができるアイデアとして、調理具と食費の工夫を紹介した。簡単な調理や簡素なレシピを活用することで、今回の支出は、キャンプ場サイトの利用料、キャンプツール、食費(食材)合わせて 16,830円 となった。これは2人分を合わせての金額であるため、1人約8,415円となる。キャンプツールは今回限りではないため、次回以降は、 7,207円(※同じサイトの場合)となり、一人約3,604円となる。なお、テント、寝袋、ポータブル電源、焚火台は、必要最低限のキャンプグッズとして、コスト対象外としたが、これらのグッズは貸出もしているサイトがあり、軽いキャンプを楽しむだけなら、そういったサイトを選定してもよいだろう。毎回のキャンプを計画的に安く抑え、お好みのキャンプグッズを徐々に買い揃えるのでもよい。

 低コストなキャンプは、アイデアであふれた素晴らしい冒険が創造できる。シンプルな装備でキャンプすることは自然と調和し、持続可能な体験の扉を開くのだ。

 自家製の料理を囲み仲間たちと笑い合い、リラックスと冒険を同時に味わえる特別な機会でもある。予算を気にせず、自然と共に心豊かな時間を過ごせば、この経験が貴重な思い出となるにちがいない。

低コストな自家製料理で心豊かな時間を過ごせるのがキャンプ(撮影:森本 昌樹)