■草木に覆われたレンガの壁を辿っていくと、2千年前の遺跡が……

  園内の中央を通る遊歩道に沿って歩いて行くと、右手に古めかしいレンガの壁のようなものが見えてきた。興味をそそられて行ってみると、真っ白な大理石の円柱が並ぶ遺跡が現れた。ここは港の建設者であるクラウディオ帝の柱廊で、西暦64年当時の建築が残る貴重な遺跡である。

 1930年の大規模な発掘調査によって発見されたこの柱廊は、整然と並ぶ荒削りな白い石の柱によって構成されている。ローマのポルタ・マッジョーレや古代ローマのクラウディオ水道橋と同じスタイルの建築法によって造られており、この当時の建築技術を学ぶうえでは最も貴重な遺跡であるらしい。

 もともとはこの柱廊の周囲に収納部屋があり、物資を保管する倉庫として利用されていた。中を覗いてみると、細長い廊下に沿って保管室がいくつも連なっている。今から約2千年前、いったいどんな物がここに保管されていたのだろうと想像しながら歩くと、空っぽの倉庫部屋見学もなんだか楽しくなってくる。

緑の草木に覆われたレンガの壁を辿っていくと、2千年前の遺跡が姿を現した
古代ローマ皇帝クラウディオの柱廊と名付けられた遺跡。1930年の発掘調査で発見され、再現された。当時は倉庫として利用されていた