古都・京都の風情を感じられる、世界遺産・醍醐寺(だいごじ)。春の桜と秋の紅葉が美しく、境内に建っている五重塔は京都府最古であることで知られ、連日大勢の観光客が訪れる。伽藍の背後には醍醐寺の始まりの地である上醍醐があり、山中にもお堂が点在している。
しかしながら、多くの人は麓の五重塔や金堂、三宝院の庭園などを鑑賞したら満足して帰路に就いてしまう。それではもったいない。
上醍醐や上醍醐に至る道には、さまざまな見どころがある。そこで本記事では、麓の伽藍から上醍醐までの道のりや見どころを写真とともに紹介する。
■豊臣秀吉が花見をした場所「上醍醐不動の滝」
上醍醐まで登るため、まずは麓にある女人堂で受付を済ませる。入山口付近には仏像が安置されており、山に入る人を見送っているようだ。仏像の前を通り過ぎると、女人堂付近とは打って変わって本格的な山道が現れる。
上り坂の後は平坦な道が少し続き、また上り坂を進むことになった。
途中、豊臣秀吉が花見会を催したと伝わる場所があった。現在は立ち入り禁止になっており、地面は落ち葉で埋め尽くされている。看板によると花見当日、秀吉は一家を引き連れ、和歌をしたためた短冊を桜の枝に吊り下げ、豪華絢爛な花見を行ったらしい。
400年以上前に催された豊臣秀吉の花見会に思いを馳せ、さらに山道を進むと上醍醐不動の滝が見えてきた。上醍醐不動の滝周辺は人の手で石垣が積まれたような雰囲気で、こぢんまりとした祭壇のようなものも設けられている。広めの休憩所もあったため、ここで一休みしてさらに歩を進めることにした。
上醍醐不動の滝を過ぎると、ひたすら上り坂と階段が続く。平坦な場所を見かけることはあまりなく、立ち止まりながら30分ほど歩き続けた。
上り坂と階段が終わると、また広めの休憩所が現れる。この休憩所を過ぎたら、上醍醐まであと少し。下り坂を歩き、上醍醐の寺務所前に到着した。