お遍路の旅に興味のある方は多いが、歩いて2か月以上費やして巡ると言われるように、時間がかかりすぎることがネックになり、実行できていない場合も多い。 

 今回は、日本中を車で旅する筆者が、車中泊をしながら、15日間の行程で全88霊場プラス四国の主な観光地を巡った「車中泊お遍路の旅」を紹介する。

 車中泊ではどのようなポイントに気をつけたのか、実体験がもとになっているので、ぜひ参考にしてほしい。

■今回のアクセス方法と旅の概要

今回利用した小豆島フェリー(撮影:分銅英雅)

 四国へは遠方からの場合、空路でのアクセスが一般的。今回はマイカー利用のため、世界遺産の姫路城を訪れ、その足で姫路港から小豆島フェリーで小豆島へ。小豆島を観光し、島内で車中泊して、翌日香川県の高松へ向かうことにした。季節は秋、10月中旬に出発した。

お遍路車中泊で利用したマツダ「CX-8」(撮影:分銅英雅)

 マイカーはマツダ「CX-8」。車高は高くない(173cm)が、長さ(492cm)があるので、2列目と3列目のシートを倒せばフルフラットになり、寝るのは全く問題ない。

マツダ「CX-8」は2列目と3列目のシートを倒すとフルフラットに(撮影:分銅英雅)

 筆者は特に車中泊用にカスタマイズはせず、ノーマルの状態で使用した。

寝具を準備したマツダ「CX-8」車内の様子(撮影:分銅英雅)

 今回のお遍路旅の概要は以下の通り。

所要日数:15日間
訪問場所:88霊場+68観光スポット
走行距離:4100km
費用:17万6000円(主な内訳:ガソリン代4万5000円、食事代4万1000円、高速代3万9000円、駐車・入館料2万6000円等)
※1 出発&終着地点は埼玉県
※2 フェリー代は除く

 今回は観光スポットにも立ち寄ったため、比較的費用もかかってしまった。それでも15日間で姫路や小豆島まで含め17万円台なら格安の旅といえるだろう。

■お遍路巡礼方法について

 「順打ち」という、1番から88番まで順番に巡るのが一般的だが、筆者は高松から四国入りしたため、八十四番札所「屋島寺(やしまじ)」をスタート地点にして時計回りに巡ることにした。特に巡拝順のルールはないので、効率的に回るのがおすすめだ。

白衣(びゃくい)姿のお遍路さん(撮影:分銅英雅) 

 お遍路では白衣(びゃくい)姿の人が多く見られるが、普段着の人もたくさんいる。筆者も一番札所「霊山寺(りょうぜんじ)」近くの店で白衣をレンタルするつもりだったが、予定していた店が閉店しており、結局普段着でのお遍路となった。

自転車でお遍路する人もいた(撮影:分銅英雅)

 お遍路の交通手段も昔ながらの歩き、マイクロバスの団体、タクシー、自転車、バイク、車とさまざま。
車やバイクのナンバープレートを見ると、熊本、京都、金沢、横浜など、日本全国から訪れているのがわかる。バイクで旅する人が白装束に革ジャンをひっかけて移動する姿を見られるのも、この地域ならではの光景だ。