■はたしてワカサギは何匹釣れたのか?  総重量はどれほどに?

この日釣れた芦ノ湖のワカサギたち。10cm超えの良型が多く混ざっていた(撮影:水卜 ヤマト)

 この日筆者が使用した仕掛けは、ワカサギ用の胴付き仕掛け。一般的な市販品で枝バリが10本ついたものを使用した。仕掛け(オモリ)をいったん湖底まで落としたら、オモリがわずかに底を切る(湖底から離れた状態のこと)ようにリールを巻く。そのまま10秒ほどアタリがくるのをじっと待ち、反応が無ければロッドで仕掛けを上下させてワカサギを誘う。次にまた10秒ほどアタリを待って…… とあとはこれの繰り返し。

 例のニュースを受けて、かなりの苦戦を強いられると思っていたのだが、まさかの一投目からワカサギの反応があった。ハリに掛かっていた2匹はどちらも10cm以上ある良型で思わず笑みがこぼれてしまった。

 魚探の画面を見ているとスタッフが話していた通りに、群れの規模が小さいことがよく分かる。鈴なりを狙って誘い方を変えるなどいろいろと試行錯誤を試みたのだが、一度に掛かったワカサギの数は最高で4匹止まりだった。それでもすぐにまた他の群れがやってきてくれるので、ゆっくりとではあるが着実に数を伸ばすことができた。

魚探の映像。朝の早い時間帯(AM6:00~8:00)にはワカサギの大きな群れが回ってくることも何回かあった(撮影:水卜 ヤマト)

 リールを巻いて釣れたワカサギを引き上げている途中、ワカサギを食べようとマスが追いかけてくる様子を何度か確認した(下の魚探画像を参照)。それならばということで、釣ったワカサギをエサにしてマスを狙ってみたところ(この釣り方をムーチングという)、46cmのニジマスを釣りあげることができた。釣れたタナは湖底から1m上である。

※芦ノ湖ではムーチングなどのエサ釣りが禁止されているエリアもあるので要注意。

ハリに掛かったワカサギを食べようとしてマスが追いかけてくる様子が魚探に映し出されていた(撮影:水卜 ヤマト)
生きたワカサギをエサにして釣れた芦ノ湖のニジマス(撮影:水卜 ヤマト)

 そして、迎えた帰りの時刻。AM6:00~11:30(正味5時間)までに筆者が釣りあげたワカサギの数は「128匹」、総重量は「720g」。サイズはざっと5~12cmで、その大半は10cmオーバーの良型ぞろいだった。

 刺し網漁が大不漁とのニュースがあったため、もっと釣れないものと覚悟していたのだが、意外にも釣れてホッとした。ちなみにボート店のスタッフに確認したところ、この日のお客さん(昼あがり)の中では「中の上」といった成績だったらしい。ワカサギ釣りは年に一度やるかやらないかといった程度の初心者同然の筆者としては上出来ではないだろうか。

●芦ノ湖のワカサギ釣り(ボート釣り)で使用したタックルと道具

【タックル】
(ワカサギ用の胴付き仕掛け)
・ロッド:エリアトラウト(管理釣り場)用のスピニングリール竿1.8m
・リール:小型の汎用スピニングリール1000番
・ライン:ナイロンライン6ポンド(1.5号)100m
・仕掛け:市販のワカサギ用胴付き仕掛け2.5号(ハリ数は10本)
・オモリ:ナス型オモリ3号(11.3g)
・エサ:紅サシ

筆者が使用したワカサギ仕掛けとエサの紅サシ。仕掛けは予備を3~4つ用意しておくと安心だ(撮影:水卜 ヤマト)

(マス用のムーチング仕掛け)
・ロッド:汎用のスピニングリール竿2.1m
・リール:汎用のスピニングリール2500番
・ライン:ナイロンライン8ポンド(2号)100m
・オモリ:中通しオモリ1.5号(5.6g)
・ヨリモドシ:小型のスイベル
・ハリス:1.5号 およそ1m
・ハリ:マス針7号
・エサ:生きたワカサギ(口掛け)

【その他の道具】
・ライフジャケット:水難事故防止のため着用が義務付けられている。ボート店で貸し出しあり
・クーラーボックス:冷えた飲み物やお弁当、釣った魚を入れておく
・保冷剤:クーラーボックス内を冷やすためのもの
・脚立:ボート内で座席として使用(高さ30㎝ほどの1段タイプがおすすめ)
・クッション:脚立に乗せて使用。長時間座っていてもお尻が痛くならない
・ロッドホルダー:ロッドを支えるための道具。これがあると両手が自由に使える
・尻手ロープ&ベルト:ロッドの落水を防ぐ道具
・魚群探知機:無くても釣りはできるが、あると釣りがより楽しくなる
・ランディングネット:大きなニジマスなどが釣れた際にすくうためのネット
・ビク:釣れたワカサギを一時的に入れておく。筆者は水汲みバケツを使用
・ジップロック:釣れたワカサギを家に持ち帰る際に袋として使用
・エサ入れ:サシを入れるための容器
・軍手:ボートを固定するアンカー(おもり)を上げ下げする際に使用
・タオル:濡れた手を拭うため。何枚か用意しておくといいだろう

■秋の芦ノ湖で美味しいワカサギを狙ってみよう

その日に釣りあげたワカサギを天ぷらで食す。釣り人の特権である(撮影:水卜 ヤマト)

 ワカサギ釣りの楽しみは、現地でただ釣ることだけではない。家に帰ってから美味しくいただくのも何よりの楽しみだ!

 今回はとりあえず定番の天ぷらでいただくことにした。180℃に熱した油の中に、衣を薄くつけたワカサギを入れて90秒ほど揚げたら出来上がり。かるく塩をふっただけなのにこの旨さはいったいなんだろう。ワタの苦味もなんともいえない。夕飯のおかず用にと準備したのに、揚げ終わってすぐに家族二人で平らげてしまった。半分残しておいたワカサギもその週にはすべて無くなってしまった。これはまた芦ノ湖に釣りに出かけねばなるまい。

 2023年の芦ノ湖のワカサギ釣りは12月14日まで。水温が下がって安定してくると、釣果はさらに上向いてくるはず。レンタルボート店の多くがワカサギの釣果情報をSNSで発信しているので、それらを参考にぜひ芦ノ湖に足を運んでもらいたい。

・芦之湖漁業協同組合(遊漁規則、ポイントマップ、遊漁券&レンタルボート取扱店などの情報あり)https://www.ashinoko-gyokyou.com

【今回利用したボート店】
店名:芦ノ湖フィッシングセンター おおば
電話:080-8123-4835

芦ノ湖フィッシングセンターおおばhttps://www.ashinoko-fc.co.jp/afc

●【MAP】芦ノ湖