初心者でも楽しみながら釣れて、食べても美味しいワカサギ釣り。通常ワカサギ釣りといえば、冬の氷上の穴釣りやドーム船が一般的なイメージだが、神奈川県箱根町にある芦ノ湖は標高が高く、関東地方で最も早い8月からワカサギのボート釣りが始まり、12月禁漁日まで楽しむことができる。

■魚影が多い芦ノ湖のワカサギ

 芦之湖漁業協同組合によれば、近年芦ノ湖では独自の採卵技術を確立し、毎年3億以上の種卵を放流している。そのため、湖内には多くのワカサギが生息しており、子どもたちも含め、幅広い年齢層に人気のターゲットとなっている。芦ノ湖のワカサギはその味にも定評があり、毎年10月1日には宮内庁に献上されるほどの名魚である。

芦ノ湖で釣れたワカサギ(撮影:田口 空)

■ワカサギ釣りは朝が勝負

 ワカサギ釣りは朝がベストタイムである。朝6時に曳舟で移動し、アンカーを下ろしてボートが風や湖流に流されないよう固定する。さっそく魚群探知機の画面には水深10〜11mの範囲に真っ赤なワカサギの群れが映る。仕掛けのオモリを底に沈めると、プルプルッとしたアタリが感じられ、しばらく待ってからリールを巻けば、数匹のワカサギが釣れてくる。時には7〜8匹が同時に釣れることもある。

ポイントまで曳舟で連れて行ってくれる(撮影:田口 空)
ワカサギの群れがボートの下を通ると魚群探知機に反応が出る(撮影:田口 空)

 ワカサギは群れで湖を回遊し、群れがボートの下を通過すると、まるで「入れ食い」のような状態になることも。ただし、チャンスは突然やってきて、突然終わる。しばらくすると、再び魚群探知機が真っ赤に反応し、チャンスが巡ってくる。朝6時からこのサイクルが何度か続くが、8時〜9時頃になると急に釣れなくなる。ある時間帯になると、ワカサギの群れは浅瀬から深場に移動する傾向があるようだ。 

鈴なりで釣れるワカサギ(撮影:田口 空)