■仙ヶ岳を目指す

亀山7座最高峰の仙ヶ岳西峰(撮影:兎山 花)

 宮指路岳を経由して次の山頂、仙ヶ岳を目指す。宮指路岳から仙ヶ岳方面に歩き出すと「犬返しの険」と呼ばれるザレた岩場に出る。足元は滑りやすく、ルートも分かりづらい岩場歩きである。慎重にルートを見失わないように歩こう。岩場を抜け、しばらく歩くと小社峠(こやしろとうげ)に辿り着く。ここから仙ヶ岳山頂まで急な登りになる。20分ほど急峻な傾斜道を登ると、そこは亀山7座最高峰の仙ヶ岳山頂(西峰)である。山頂は開けて眺望がよく、鈴鹿山系南部の山々が見渡せる。

■スリルある仙鶏尾根から仙ヶ谷経由ルートで下山

仙ヶ岳東峰にあるシンボル「仙の石」(撮影:兎山 花)

 仙ヶ岳の最高点(西峰)を後にして、やせた仙鶏尾根(せんけいおね)方面に下山する。途中、仙ヶ岳東峰には面白い形をした仙ヶ岳のシンボル「仙の石(せんのいし)」がある。細長い巨岩で、筆者にはどう見ても上下逆様に立っているように見えてしまう。仙の石を過ぎてしばらく尾根沿いを歩くが、小岐須渓谷キャンプ場に戻るには途中、仙鶏尾根を離れて北東の谷ルート方面へ下山しなければならない。分岐を見逃さないように注意しよう。

仙鶏尾根から仙ヶ谷方面に向かう谷ルートは、緊張を強いられる細い巻道(撮影:兎山 花)

 仙ヶ谷方面へ向かう谷ルートは、巻道の道幅が狭いので、集中して歩こう。仙ヶ谷まで来ると美しい渓谷沿いを歩きながら登山口まで戻れる。

渓谷沿いを歩く仙ヶ谷ルート(撮影:兎山 花)

■標高が由来の山はほかにもあった!

六甲山系にあるゴロゴロ岳(撮影:兎山花)

 標高が名前となった山は、実はほかにもある。六甲山系の兵庫県芦屋市と西宮市の県境にある「ゴロゴロ岳」も標高が名前の由来になったと言われている。計測当時、山頂の標高が565.6mということからゴロゴロ岳と名付けられたらしい。しかし、現在の標高は565.3mである。筆者が知っている標高が名前となった山は2座だけであるが、全国にはまだ同じような名前の由来の山があるのかもしれない。

 今回歩いた小岐須渓谷キャンプ場からヤケギ谷ルートで宮指路岳、仙ヶ岳の周回ルートは変化に富んで歩きごたえのあるルートで、途中緊張を強いられる場所が数か所あるのでしっかりと下調べをしてから入山しよう。

小岐須渓谷キャンプ場

●【MAP】小岐須渓谷キャンプ場

 

※この記事の情報は2023年10月現在のものです。