■おすすめの離島その3 〜日本の地中海! 何度でも帰りたくなる“あったかい島” 「小豆島」(香川県)

約800枚の大小の田んぼが折り重なった中山の千枚田は「日本の棚田百選」の一つ(撮影:佐野葉月)

 高松港から高速船で35分のショートトリップ。「日本の地中海」と呼ばれる小豆島は瀬戸内海で2番目に大きい島だ。1年を通じて温暖で晴れの日が多く、地中海性気候に近いといわれている。筆者の友人は、旅先の南フランスでの生活を大変気に入り、似た雰囲気を感じた小豆島に移住後、13年経った今も島暮らしを満喫している。

アート作品が島内の色々な所に見られ、島全体が美術館のよう

 数々の映画やドラマの舞台になったそのフォトジェニックな風景たちに、ついカメラを向けたくなる。透き通った海や緑が鮮やかな田んぼ、おしゃれなカフェ、レトロな昭和の学校を再現したロケ地など、インスタ映えするスポットも多い。

 不思議だったが、小豆島に初めて行ったときにとても懐かしい感じがした。見たことのない景色が広がっているはずなのに「ただいま」と言いたくなる、そして何度も帰りたくなる、そんなあたたかい島だ。

手延素麺とともにオリーブご飯はいかが?

 小豆島にはその風土を生かした豊かな食文化がある。まずはオリーブ。小豆島は日本で初めてオリーブの生産に成功したといわれており、オリーブを混ぜ込んだご飯が絶品だ。オリーブオイルはお土産にも人気である。

 また、400年の歴史を持つ素麺も名産品だ。小豆島の素麺は日本三大素麺の一つとされており、ツルツルしてのどごしが抜群なのでいくらでも食べられる。 

このもろみ蔵は重要文化財にも指定されている(撮影:ヤマロク醤油)

 小豆島に行ったなら、ぜひ醤油蔵の見学をおすすめしたい。島にはいくつかの醤油蔵があるが、ヤマロク醤油のもろみ蔵見学は予約なしで訪問OKで、職人さんが熱心に案内してくれる。

伝統を守り、受け継いでゆく職人さんたち(撮影:ヤマロク醤油)

 蔵に足を踏み入れた瞬間、醤油の香りが漂い、100年以上の歴史がある木桶の大きさに驚く。通常の醤油の熟成は約半年だが、ヤマロク醤油は4年かけて熟成されており、まろやかで風味豊かな味わいが楽しめる。見学の後には「利き醤油」を楽しむことができ、併設のカフェで醤油を使ったスイーツも味わえる。大切に受け継がれた伝統的な醤油作りと、その背後にある職人さんたちの情熱に触れることができる、貴重な体験だった。

・ヤマロク醤油
住所:香川県小豆郡小豆島町安田甲1607
電話番号:0879-82-0666

URL:https://yama-roku.net/

●【MAP】ヤマロク醤油付近

 

 3つの島を紹介してきたが気になる島はあっただろうか。日本には14,000以上の島があり、まだまだ奥が深い。未だ見ぬ景色を求め、今年はどこへ行こうか。

 

※この記事の情報は2023年8月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください