海が真っ二つに割れ、島への道が現れる。まるで映画『十戒』のようのような体験ができる場所が鹿児島にある。島の名は、“知林ヶ島”(ちりんがじま)。道が現れるのは、3月から10月の限られた期間だ。「ちりりんロード」と呼ばれているらしい。

 令和5年3月11日、この、期間限定の不思議な島を探検してみたので、レポートする。

■知林ヶ島とは

高台から望む知林ヶ島(写真素材:写真AC)

 知林ヶ島は、鹿児島県指宿市にある、鹿児島湾に浮かぶ無人島で、周囲約3kmの小さな島だ。標高は約90m。アップダウンがあり、一周するとちょっとした登山も楽しめるらしい。

■島への道はいつ現れる?

空中から確認できる島への道(写真素材:国土交通省 地図・空中写真閲覧サービス)

 島への道が現れるのは3月から10月の間のみ。大潮と中潮の干潮時に“砂州”(さす)と呼ばれる道が現れる。出現時間は「いぶすき観光ネット」に「砂州出現予測時刻」が提供されていたので、これを参考に島へ渡る時間を決めた。

(参考)いぶすき観光ネット 令和5年砂州出現予測(第1版)

■道が出現する前の状態を確認

道が現れる前の知林ヶ島(撮影:山下直人)

 「海に道が出現する」のを体感したいため、まずは道が現れる前の状態を確認しにいく。場所は、JR指宿駅から車で約7分の「指宿エコキャンプ場」。知林ヶ島へ渡る「ちりりんロード」の入り口がある。
今のところ、道は出来ていない。