■おすすめの離島その2 〜パワーをチャージするならこの島!「屋久島」(鹿児島県)
1993年に白神山地とともに日本で初めて世界自然遺産に登録された鹿児島県の屋久島。2022年に阪急交通社が実施した「一生に一度は行きたい離島」ランキングでは、堂々の1位に輝く人気ぶりだ。
車だと1周するのに2時間ほどで回れる小さな島だが、島の面積のほとんどが森林で占められ、1,000mを超える山岳が45以上も連座する。この小さな島内に約2,000mの標高差があるため、海岸沿いではハイビスカスが咲く亜熱帯気候である一方、同時に山頂部は積雪が見られる冷温帯気候となり、「日本の縮図」だといわれている。この独特な気候と地形のおかげで古くから多様な生態系が育まれた。
屋久島といえば、日本で最も古く樹齢7000年を超えるとの説もある「縄文杉」が有名だが、今回はそれ以外のおすすめスポットを紹介しよう。
まずおすすめしたいのが「白谷雲水峡」だ。まるでジブリ映画の『もののけ姫』の世界に迷い込んだような神秘的な苔の世界が広がっている。屋久島は年間降水量が全国1位と雨が非常に多い島だが、その恵みの雨を喜んでいるかのように、苔が青々と深まり、雨の雫が輝くのだ。
アップダウンもそれほど多くないので、いつまでもどこまでも歩きたくなる景色が続く白谷雲水峡は、ファミリーにもぴったりだ。
そして、屋久島旅で最も印象的だったのは、平中海中温泉。1日2回、干潮前後2時間しか入れない温泉で、海の中から楽しむオーシャンビューは圧巻である。開放感でいえば日本一の温泉かもしれない。
ただし、入るのには多少勇気がいる。この温泉は自然の中にあるので脱衣所はないし、混浴、しかも水着の着用はNG(タオルや湯浴み着はOK)。筆者も3秒ほど悩んだが、「こんな絶景温泉はここだけ!」と入ることを決断。岩陰でさっと着替えを済ませ、タオルを巻いていざ!
熱めのお湯につかり、波の音を聞きながらの湯浴みは最高だ。低い岩だけで隔てられており、海水が入ってきたり温泉が湧き出たりして温度が変わってゆくのは不思議だった。入浴入湯料金(こころざし)は200円で、PayPayで支払えるのも便利。特に夜の干潮時に行けば、満天の星空を眺めながら温泉に浸かれる。これぞ屋久島でしか味わえない贅沢な温泉で、時間を変えて何度も訪れたくなる魅力がある。