「ヴィア・フェラータ」をご存じだろうか? 日本ではあまり馴染みがないが、専用の装備を使い、断崖絶壁の岩肌に固定されたワイヤーロープを伝って登る、ヨーロッパでは盛んな山のアクティビティの一つだ。
そんなヴィア・フェラータを、筆者がイタリアのドロミテにて初体験。初心者でも専用の装備が揃っていればチャレンジできるので、今回はその様子をレポートする。
■Via Ferrata(ヴィア・フェラータ)とは?
Via Ferrata(ヴィア・フェラータ)はヨーロッパ発祥でイタリア語で「鉄の道」を意味し、第一次世界大戦中に軍隊が山岳エリアを移動するために作られたと言われている。現在では整備され、安全に通行できるコースとなり、ヨーロッパアルプスには1000以上のヴィア・フェラータコースが存在している。
ヴィア・フェラータは、山肌に人工的に設備された固定のワイヤーロープに、2本のカラビナ付きロープを常に留めながら安全に進むコースになっており、断崖絶壁の険しい岩場のルートが多い。スリリングなアクティビティを求める人には最適だが、高度があるため高い場所が苦手な人にはあまりおすすめできない。
ヨーロッパでは人気の登山アクティビティで、ボルダリングやクライミングと違い専門技術がなくても専用の装備さえあれば、登山初心者でも比較的簡単に始められることから子どもから大人まで幅広い世代に親しまれている。
■ヴィア・フェラータに必須な装備
ヴィア・フェラータをするのに登山で使用する通常の装備以外にも必須な用具がいくつかある。
・登山用ハーネス
・ヴィア・フェラータキット(2本の専用カラビナに衝撃吸収機能の付いている伸縮性のロープ)
・ヘルメット
・ヴィア・フェラータ用のフィンガーレスグローブ
上記の必須用具以外に通常の登山で使用する登山靴とリュックが必要だ。幅の狭い岩場の道に沿って進むコースが多いので、岩壁に荷物が引っかからないように小型リュックが最適だ。