■「避難小屋建設」のための支援を募集中

現在、避難小屋建造のために第2弾となるクラウドファウンディングを実施中

 再開通はしたものの、この登山道の完成度はまだ85%ほどだと、伊藤さんは言う。では、残りの15%とは?

 「渡渉困難時の緊急避難場所として、行程全体の中間地点に避難小屋を建造したい。小屋があれば、登山道整備の拠点や資材置き場としても機能します。あとは利用者が増えた時に周辺環境を維持するため、バイオトイレも併設したいと考えています」

 現在は、避難小屋建造のために第2弾となるクラウドファンディングを実施中。来年、2024年の本格シーズンイン前、7月の完成を目指している。支援先の詳細は「伊藤新道 避難小屋建造プロジェクト」で検索してみよう。この避難小屋が完成すれば、通過時のリスクが大幅に軽減されることとなり、晴れて「伊藤新道が100%開通」となるはずだ。

伊藤新道経由でアルプスの深部をめぐる計画を考えてみよう

 ちなみに、伊藤新道を絡めたエリアの楽しみ方を伺ってみると、「裏銀座〜伊藤新道や、伊藤新道〜竹村新道などの周遊コースを歩く計画もいいですし、伊藤新道〜上高地などのバリエーションに富んだ縦走計画も考えられます。または、伊藤新道河川部だけのピストンや、釣りを含めたアクティビティもおすすめです」とのお答え。

 通行可能な期間の目安は、10月半ばの三俣山荘の小屋閉めまでなので、いち早く伊藤新道での冒険を体験する計画を立ててみてはいかがだろうか。

設計図は既に完成している

<「復活!伊藤新道〜避難小屋建造プロジェクト〜」クラウドファンディングの詳細はこちら>

https://camp-fire.jp/projects/view/681118

https://kumonodaira.net/ito_shindo/index.html

写真提供=三俣山荘、井上実花、河谷俊輔

道中から望む槍ヶ岳。ワイルドだろ?