筆者が登山初心者だったころ、先輩に登山のルールをたくさん教えてもらった。当時はあまりピンときていないものもあったが、登山歴15年となった今では、教えてもらったルールで自分の命が守られていると感じることが多々ある。
この記事では、先輩が教えてくれた「忘れてはならない登山の教え」を5つ紹介する。
■その1. グループ登山でも地図は全員1つ持つ
初登山のときから先輩には「必ず全員1つずつ地図を持つ」ことを教えられた。
グループ登山でも、全員揃って無事に下山できるとは限らない。もしグループ内の登山経験者がケガや体調不良で動けなくなっても、動ける人が助けを呼びに行ったり、下山したりできるようにするためだ。
当時は登山計画書を先輩が作って事前に渡してくれたため、当日までに登山ルートを地図で追っておくことも教わった。
筆者が登山を始めた頃はまだ地図アプリが普及しておらず、紙の地図で現在地を把握する必要があった。そのため、山小屋や道標などわかりやすい目印がある場所で現在地確認の練習をし、地形図の読み方も教えてもらった。
おかげで、登山道がわかりにくい場所や道標が倒れているときでも、迷わず進めるようになった。
■その2. 自分のものは自分で持つ
当たり前のことだが、地図と同じ理由で「自分のものは自分で持つ」ことも教えられた。とくに水は重いため、体力がある人に持ってほしいと思いがちだが、万が一水を持った人とはぐれてしまったとき、無事に下山できなくなる。
筆者は初心者の頃、小さなデイバッグを使っていたが、そのバッグがパンパンになっても自分の荷物は自分で持っていた。
■その3. 晴れていてもレインウエアを持っていく
登山の3種の神器の一つと言われるレインウェアも、山には絶対に持って行くように教えられた。しかし筆者は当時、レインウェアはかさばるため、できれば持って行きたくないと考え、晴れ予報でもなぜ必要なのかと疑問だった。
しかし登山経験を重ねるにつれ、山の天気は本当に変わりやすいと実感した。標高の高い場所ではとくに、天気がめまぐるしく変わるのは珍しくない。登山口の天気と、山頂や稜線の天気が違うのもよくあることだ。
変わりやすい山の天気に対応するため、絶対に持って行こう。