■八方尾根の逆転現象とは?
八方尾根では、このエリアならではの気候や蛇紋岩という地質によって、植生の逆転現象が見られることで知られている。登山口から八方池までは、本来なら高所に見られるような低木や高山植物が分布しているが、八方池から唐松岳に向かう登山路を登っていくと、今度は逆に標高が高い場所にもかかわらずダケカンバのような高い木が現われる。学術的にも希少なこうした逆転現象が八方尾根の特徴だ。
八方池から大体3時間ほどで唐松岳頂上山荘が建つ稜線に出る。ここが後立山連峰縦走路にあたる場所。白馬村側から見て山の反対側を見渡すことができ、剱岳などの北アルプスの名峰を一望できる眺望がすばらしい。
■大展望が待つ唐松岳のピーク
小屋は唐松岳の直下に位置し、ひと息ついたら頂上を目指そう。唐松岳の山頂は小屋から20分ほどだ。標高2,696mの唐松岳頂上は、360度で景色が広がる最高のロケーション。正面にドーンと見える剱岳をはじめ、五竜岳、鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰を見渡せ、山裾に切れ込む深い谷まで一望できる。北アルプスの広さ、迫力、奥深さを実感できる圧巻モノの景観だ。
パノラマビューの絶景が広がる唐松岳は、八方尾根のゴンドラ&リフト利用の「八方アルペンライン」よって楽に日帰り登山が可能。北アルプス初心者でもトライしやすい理想的な環境といえるだろう。2023年の八方アルペンラインの営業は11月5日(日) まで。秋の紅葉時期は山が錦に染まる絶好のシーズンだ。
●【MAP】八方アルペンライン