登山初心者のうちは、できれば経験者と一緒に山に登ると安心。登山歴15年の筆者も、初心者の頃は経験者と一緒に山に行っていた。そして、ある程度登山経験を積んでからは、初心者を連れていく側となった。
しかし、初心者と登山に行くとなると、何に配慮すべきか、どうしたら山を好きになってもらえるのかと、悩むことも多い。
この記事では、筆者が初心者のころ、山で先輩にしてもらってうれしかったこと、筆者が初心者にしてあげて喜ばれたことをそれぞれ3つ紹介する。これから初心者と登山に行く方の参考になれば幸いだ。
■初心者のころ山で先輩にしてもらってうれしかったこと3選
●その1. 歩く速度を合わせてくれた
筆者が初めて登った山は丹沢の大山(おおやま)。5月頃で、筆者を含め5人グループでの登山だった。登山道では登山経験豊富な2人の先輩が先頭と最後尾、登山経験の少ない3人が列の真ん中を歩いた。
先頭を歩く先輩は、何度も後ろを振り返りながら筆者たちの様子を確認し、最後尾を歩いている先輩は、誰かが遅れると先頭の先輩に声をかけ、速度を調整しながら歩いてくれた。
こまめに小休止も取ってくれたので、無理なく歩けてとても楽しい初登山となった。
●その2. 肌寒い山で温かいココアを淹れてくれた
これも初登山でのエピソード。標高の高い場所まで登り休憩していると、汗が冷え、肌寒く感じていた。そのとき先輩がバーナーでお湯を沸かし、温かいココアを淹れてくれた。その温かさと甘さが疲れた体に染み渡り、自然の景色も相まってとっても美味しく感じたのを、今でも覚えている。
それ以来筆者は、山での温かい飲み物にハマってしまった。
●その3. 登山道具を貸してくれた
日帰り登山の経験を積み、登山に慣れたころ、大山に連れて行ってくれた先輩がテント泊に誘ってくれた。しかし、筆者は当時学生で、テント泊装備を買う経済的余裕がなかった。筆者が「装備がないから行けません」と答えると、先輩は「装備は貸すから一緒に行こう」と言ってくれた。
涸沢(からさわ)カールでテント泊デビューをさせてもらい、日帰り登山では見られない、山での夕焼けやモルゲンロートに感動。筆者が社会人になってすぐ、テント泊装備を揃え始めたのは言うまでもない。