■水族館や日本一低い山もある天保山
駆け足になるが、次が大阪港駅で天保山ハーバービレッジの近くだ。ハーバービレッジといえば、シンボルなのが大観覧車。
高さ112.5メートル、直径は100メートルの規模は、一時世界最大だったという。夜にはイルミネーションが輝き、目を見張るほど美しい。
ハーバービレッジの中には、ほかにも飲食店街や物販店、レゴランドが入る天保山マーケットプレースやジンベイザメで有名な水族館、海遊館がある。
海外でも名前が知れ渡っているのか、外国人観光客の姿は多い。そして、ハーバービレッジ近くの天保山客船ターミナルは整備工事が計画され、完成すると世界最大級のクルーズ客船も停泊が可能になるという。
そもそも「天保山」とは、安治川が浚渫(しゅんせつ)された際の土砂を積み上げた人工の山。いまは天保山公園となっている。高さは4.53メートルで三角点のある山としては日本でもっとも低い。
また、天保山公園の海沿いには渡船場もある。
運営するのは大阪市で、天保山とユニバーサル・スタジオ・ジャパンのある桜島を結ぶ。2つの観光名所をつなぐためか、観光客の乗客も目につく。大阪にはほかにも8つの渡船場があり、すべて公営。乗船料は無料である。
■手つかず状態の延伸工事
高架線路を走っていた中央線も、大阪港駅を出ると地下にもぐり、海の下を通って島に到達する。島の名は咲洲(さきしま)といい、大阪市が主体として行われたベイエリア計画で築造された人工島だ。咲洲のほかに舞洲と夢洲があり、2025年に万博が開かれる予定なのが夢洲だ。この万博に合わせ、中央線は延伸されるという。ところが、コスモスクエア駅を降りても、工事が行われている様子は全くうかがえないのだ。
夢洲側では設備が整えられ、海中トンネルも掘られているのかもしれない。しかし、咲洲側は完全に手つかず。それにしても、パビリオン建設の遅れが取りざたされている。「間に合うのか? 万博」というのが、正直な感想ではある。