■大雪渓を登りきると、一面の花畑が現れる
大雪渓の上部まで来ると雪渓を外れて秋道を歩く。秋道の足元は岩場となっており、この岩場は濡れている箇所が多いので、転倒や落石に注意しながら歩かなければならない。
雪渓歩きが終わってヘルメットを外す登山者も多いが、筆者らは落石に備えて、ヘルメットを装着したまま登っていく。見渡すとそこは一面の花畑である。色とりどりの花の中を歩くのだが、美しい景色とは裏腹にかなりの急登の中を登っていかなければならない。
登山道も狭いので、休憩する場合は落石の恐れがなく、登山者の邪魔にならない場所を見つけよう。稜線上に立つ白い壁の白馬岳頂上宿舎が見えてきたら、後ひと踏ん張りだ。
■宿泊受付を済ませて、白馬岳へアタック
正午、白馬岳頂上宿舎で受付を済ませた後、山小屋に併設された「2,730メートルのお食事処」で友人たちと牛丼を食べる。まだこの時点では牛丼を完食できるほど彼女も元気であった。
食事の後、アタックザックで白馬岳を往復する。山頂まで往復1時間ほどの道のりである。途中、登山道脇に紫色の花をしたウルップ草が咲いていた。ウルップ草は高山帯の湿った砂礫地に生える高山植物で北海道と北アルプスの一部、八ヶ岳でしか見られない希少種である。
白馬山荘は、白馬岳頂上宿舎から白馬岳方面に20分ほど登った場所にある。そこからさらに15分ほど登ると、白馬岳の山頂だ。残念ながらガスのせいで景色は見られなかったが、雷鳥の親子に出会えた。