■ハイドレーションのメリット

トレールウォーターパック 2.0L(写真提供:モンベル)

●歩きながらすぐに水分補給ができる

 一番のメリットは、歩きながらでもすぐに水分補給ができる点。行動時間が短い登山であればあまり感じないかもしれないが、長時間の行動を必要とする登山では重宝する。

●入れておける水の量が多い(最大3L程度)

 バックパックの背面部分に引っ掛けて一緒に背負うため、ボトルに比べて入れておける水の容量が多いのも特徴。あまり入れすぎると重くなり体力消耗の原因になるため、適切な量を入れて持ち歩こう。

●ウォーターキャリーとしても使用可能

 給水のホースに口を付けていると雑菌が入り込んでしまいよくないが、きれいな状態であればウォーターキャリーとして使用することも可能だ。ただし破れやすい材質で作られていることも多いため、あくまで緊急用としたい。

テント内で吊り下げて使用すると邪魔にならず便利(撮影:彩)

■ハイドレーションのデメリット

●ゴム臭さが気になる人もいる

 ハイドレーションはソフトボトルを使用しているため、素材特有の匂いが気になる人もいる。個人差が出るポイントだが、気になる人は購入前に実物を確認した方がよいだろう。

●メンテナンスが面倒

 ハイドレーションは、細いチューブやソフトボトルの隅などメンテナンスが必要だが、清掃がしづらい構造になっているため、面倒に感じることも。隅までメンテナンスを行い、洗浄後はしっかり乾燥させ保管しよう。

●水の残量がわかりにくい

 リザーバ内の残りの水量が見えないため気づいたときには水を飲みきっていた、ということがある。反対に飲みすぎないように気をつけていると、水を余らせてしまうこともあるので、計画的な水分補給が必要だ。

■夏の登山はハイドレーションでこまめに水分補給をしよう

 ハイドレーションを使用するか否かは賛否の分かれるところだが、筆者は水分補給の容易さを優先し、夏山登山を行う際には必ずハイドレーションを使用している。

 ハイドレーションとボトルのどちらを使用するにせよ、しっかりと水分補給を行い、安全に夏山登山を行ってもらいたい。