■事例3. 午後3時に超軽装で山頂に向かう
夏の終わり、尾瀬沼のすぐ近くにある福島県の燧ヶ岳(ひうちがたけ)を下山中だった、午後2時頃。超軽装で登ってくる登山者とすれ違った。山頂まで1時間半ほどかかる場所で、荷物は小さなウエストポーチだけ。おそらく水は持っていない。山頂まで登って下山し、近くの小屋に泊まるとしても、下山時には暗いだろう。すれ違うときに挨拶をしたが、無視されてしまった。
夕方以降に山中を歩くと見通しが悪く、足元も見えづらくなり、遭難につながる。山では余裕をもって、午後3時頃までに行動を終えるようにし、万が一に備えてヘッドライトを携行しよう。また、山小屋やテントに荷物をデポして行動する場合でも水や行動食は持ち歩くこと。
山での挨拶を面倒だと思う人もいるかもしれない。しかしこの挨拶は、登山者同士がお互いを認識し、助け合うためにもつながるもの。山ですれ違った人とは気持ちよく挨拶を交わそう。
■事例4. ヒールのあるサンダル・街歩きの服装で登山道を歩く
東京都の御岳山では、街の中を歩くようなおしゃれな服装とヒールのサンダルで登山道を歩く女性がいた。女性の少し前には、パートナーと思われる男性が歩いている。夏だったので2人とも袖の短い服を着ていた。女性は泣きそうな顔。男性も無言で歩いていた。
2人の事情は知らないが、女性は山に行くと伝えられていなかったのかもしれない。思いつきで登山道を歩くのは危険だ。人気の低山であっても山は山。登山靴を履き、露出の少ない服装で歩こう。
■登山のルールを知り、安全に山を楽しもう
登山のルールは、命を守るためのもの。どんなに登山道が整備されていても、自然の中で過ごすのは危険がつき物であることを忘れないでほしい。
安全に登山を楽しむためのルールは他にもある。これから登山を始める方や初心者の方は、面倒がらずに登山のルールを調べ、準備を整えて山に出かけてほしい。