■町田市大賀藕絲(ぐうし)館

知的障がいの方々が、ハスなどの加工・販売を行っています

 ハス田散策を満喫した後は、近隣の町田市大賀藕絲館に向かいました。先ほどのハス田を管理しているのが、この施設であり、知的障がいの方々への支援サービスを行う「社会福祉法人 まちだ育成会」の事業所となっています。ここで収穫されたハスが、手工芸品や織物等に加工されるのです。

ハスを加工した手工芸品が所狭しと並べられています

 館内では、ハスの茎を煮て皮を取って水洗いした後に残る繊維をよった糸「茄糸(かし)」で作られた帯や、ハスの実が入った「果托(かたく)」を加工した茶たくなど、様々な手工芸品が売られていました。また、館名にもなっている、茎の繊維を使った「藕絲」を使った製品もありました。特に、藕絲は、40kgの茎から2gしか採取できないという貴重な繊維で、これを製品化しているというのは、ハスのプロ集団が集まっている作業所ならではのことです。

■ハスを味わう! 珍しいハスグルメのオンパレード

大人気のハスグルメ。中には早々に完売となるものも

 この日は、藕絲館もハスまつり会場の一つとなっていて、手工芸品以外にも、ハスを使った珍しいグルメがたくさん販売されていました。ハスといえば根をレンコンで食べる程度の知識しか持ち合わせていない筆者でしたが、こんなにも多くの食品として利用することができるのだと知って驚きました。

ハスの実おこわとハスの味噌汁。健康増進に効果がありそうです

 一番人気は「ハスの実おこわ」。ハスの実が丸ごと入ったおこわです。ハスの実には、カリウム・ビタミンB1・カルシウム・植物繊維などが豊富に含まれており、胃腸の機能を高めたり、高血圧を予防したりする効果が期待できるとのことです。弱い苦みがあり、それがおこわのおいしさを引き立てていました。毎年楽しみにしている市民の方々も多いようで、お昼前には完売になったほどです。

 一緒に注文したのは、ハスの実味噌を使った味噌汁。ハスの巻き葉を浮かべられていて、視覚でも味わうことができます。

干したハスの葉を刻んだものとハスの葉茶

 また、ハスの葉茶が無料で提供されていました。飲んでみると、すっきりした味わい。水分と栄養の補給となり、夏バテ解消に役立ちそうです。そのもととなった干したハスの葉が販売されていました。「お風呂に入れても良いですよ」と教えていただき、一袋買い求めました。入浴時に浮かべて、のんびりとバスタイムを過ごせそうです。

ハスの実ケーキ。ハスの実とそのペーストをはさみ込んだ逸品です

 その他にも、ハスの実のペーストをバターケーキにはさんで焼き上げた「蓮Ren~ハスの実ケーキ~」もありました。ハスの実を熟しきらない時期に収穫して、一つひとつ丁寧に皮を剥いて使っているそうです。手間がかかる作業を地道におこなうことでできるハスの加工食品。じっくりと味わいたいものです。

例年、8月上旬までが見頃。まだまだ楽しめそうです

 花も味も楽しめる町田市小山田のハス。8月上旬ころまでが見頃のようです。加工するために栽培されている農地ですので、くれぐれもあぜを荒らさないように十分気を付けながら、ちょっと早起きして散策をしてみてはいかがでしょうか。