■2回目の高山病 ゴルナーグラート(スイス)標高3,090m

標高3,090mのゴルナーグラート

 2回目の高山病は、登山歴10年目の頃にスイス旅行で訪れたゴルナーグラート。標高1,605mのツェルマットから標高3,090mのゴルナーグラートまでは登山鉄道を使って40分で登れる。そこからハイキングコースを歩いて下山する計画だ。この日は下界も山も快晴だった。

 ゴルナーグラート駅に着いてすぐ、少し坂を登っただけで息切れし、軽いめまいと頭痛も感じた。鳥海山のときと同じ症状だったので高山病だと気づくことができ、すぐに徒歩で下山開始。標高2,500mくらいまで下ると症状はなくなった。

●考えられる原因

ゴルナーグラート駅。登山鉄道で一気に登ったのが高山病の原因か

 この日高山病になった最大の原因は、40分で1,500m近く標高を上げたことだろう。旅の疲れもあったのかもしれない。

■対処法は「すぐに下山」

 高山病を発症したら、すぐに標高の低い場所に移動することが一番の対処法だ。そのためには「高山病だと気づく」ことも大切だと身をもって実感した。登山の疲れからくる不調であれば、少し休憩すれば回復するはず。しかし、休憩で回復しない場合は高山病の可能性がある。

 また、体調不良時にすぐ引き返すことは、登山の大原則。筆者も知っていたが、登り続けてしまったことを今でも後悔している。

 筆者の経験を教訓に、標高2,000m以上の山では高山病になる可能性があることを覚えておいてほしい。また、登山前は体調を整え、不調を感じたときはすぐ引き返すこと。万が一に備えて、酸素スプレーや頭痛を和らげるための鎮痛剤の携行をおすすめする。