■旭岳登頂よりも価値がある? 一度は見ておきたい大お花畑!

裾合平のチングルマの見頃はまだまだこれから!(2023年7月8日撮影)

 裾合平のチングルマの魅力はなんといっても、そのスケール感だろう。旭岳に向って登山道から続く広大な裾野と、その一面にチングルマの淡い黄色の花がどこまでも続くダイナミックな景色が圧巻だ。

 気になる見頃は例年7月中旬から下旬にかけて。今年は7月9日の時点で登山道の周りが咲き始めていたが、メインとなる「大お花畑」の開花はまだまだこれからだ。今後の天候次第だが、1〜2週間後がピークとなりそうだ。チングルマと合わせて、旭岳の山肌に雪渓の白鳥の姿を探すのも定番の楽しみだ。想像力を膨らませ、何羽の白鳥を見いだせるか数えてみるのも良い。

■自然に温泉が湧き出ている中岳温泉は足湯スポット!

沢の横に湧き出ている中岳温泉で一休みをする登山者たち

 中岳温泉は登山道の途中に自然に湧き出ている野湯で、特になにか施設があるわけではない。湧き出ている温泉は非常に熱いので、すぐ脇を流れる沢の水を引き込んで温度を調整する、足湯に丁度良い温泉だ。

 裾合分岐から中岳温泉までは1時間ほど。チングルマの群生地からはひと登りの距離なので、ちょっと足を延ばして楽しみたい場所だ。休憩場所としても立ち寄る登山者が多いため、今年は簡易の携帯トイレブースが期間限定で設置されている。

■アクセスはロープウェイ、登山装備は忘れずに!

旭岳ロープウェイ乗り場から見た旭岳。裾合平は山の左側に広がっている

 旭岳の山頂へは登らず、裾合平までお花見だけといっても、しっかりした登山装備は必須だ。ハシゴや鎖場などの急斜面はないが、“ぬかるみ”や朽ち果てて危ない木道など、スニーカーで歩くには少々厳しい道だ。

 また、大自然に囲まれた大雪山ゆえに、付近はヒグマの生息地でもある。ロープウェイを利用して気軽に行けると思わずに、登山準備を整えて訪れてもらいたい。