■雨の日ならではの観察ポイント
この日は雨でしたが、多くの観光客の方々が早朝からいらしていました。それでも晴れの日よりは人出は少ないはずです。そして、気温も低いので、暑さをしのぎながら静かにハスの花を味わうことができます。
雨の日に注目してほしいのは、ハスの葉です。ハスの葉には、毛じ(もうじ)といわれる突起が全体にあるため、水を強くはじきます。コロコロと葉の上で踊る水玉と遊んでみるのも良いでしょう。
また、ハスの葉の上に水がある程度たまると、一気にこぼれます。風が吹いたり揺れたりすると、より激しく水が落ちます。まるで、鹿威し(ししおどし)のようで見ていて飽きません。
さらに、葉の先についている水玉をていねいに見ていくと、レンズのような効果で、向こう側に咲いているハスの花が逆さに映って見えることがあります。雨の日ならではのハスの楽しみ方でしょう。
■バードウォッチングも楽しめます
古代蓮の里には、水辺の野鳥たちも生息しています。私が散策している間にも、カラフルな色彩のカワセミが「チー」という鋭い鳴き声を発しながら飛んできました。野鳥カメラマンの中では、ハスとカワセミを一緒に撮ることを「ハスカワ」といって、季節感を味わえる写真として多くの皆さんが狙っています。ちなみに、秋に紅葉したモミジとカワセミの写真は「モミカワ」といって、こちらも人気です。
また、水鳥の池には、カイツブリの親子もいました。小魚やエビを捕まえては、ヒナに与えていました。微笑ましい様子に心が温まります。