■テント泊を終えて下山

 翌朝、昨夜の天気は嘘のように快晴となった。朝イチで山頂へ登り、その後は朝食を食べてから下山を開始した。

山荘から山頂までの稜線は360度どこを見ても絶景(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 山の天候は読めない。高山であれば尚更だ。今回は山頂に到着するまで天気が悪化することはなかったが、万が一の悪天候に備え、雨具の準備は忘れずにしたい。

■登山者の憧れであり、見守っていくべき存在のライチョウ

残雪の時期、遠目に佇むライチョウ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 これまでライチョウに出会ったことは何度かあるが、親子に遭遇したのは初めて。6月下旬~7月上旬頃に誕生した雛に運よく出会えたのだろう。 

 この山行に限らず、登山をする度にさまざまな自然の生き物に遭遇してきた。人間のエゴで彼らの生活を脅かしてはいけないと考え、自然と触れ合ってきたが、今回まだよちよち歩きのライチョウの子どもたちに出会い、我々ができることは継続すべきだといった思いを新たにした。

 雛の生存率は非常に低く、天敵となる他の動物や、進む地球温暖化などが要因とも言われている。

 山を愛する私たちにできることは彼らの餌となる植物の保護や、ゴミを捨てず持ち帰るなど、当たり前のことからはじめたい。

 自然の地に足を踏み入れ、登らせてもらう私たち人間が、ルールを破った行動をしてはならない。これからも少しでも多くの命が続くことを切に願う。

●燕岳

住所:〒399-8305 長野県安曇野市穂高牧