●新松か井の水公園

・住所:〒679-1215 兵庫県多可郡多可町加美区奥荒田

【MAP】

広い駐車場がある新松か井の水公園(撮影:野口宣存)
取水場がいくつもある新松か井の水公園(撮影:野口宣存)

 新松か井の水公園は、平成の名水百選や加古川水の新百景に選ばれた有名な湧水スポット。標高は330m程度だが、兵庫県道8号線沿いにあり、車でのアクセスも容易。広い駐車場も備えているため、遠地よりはるばる水汲みに訪れる人も少なくない。

 ここは少し上にある高坂トンネル工事で見つかった水源を引いているらしい。つまり岩盤から湧き出た水なので、コーヒーがおいしく淹れられる湧水第2位の条件に該当する。

新松か井の水と旧松か井の水の説明版(撮影:野口宣存)
新松か井の水で淹れたコーヒーは、香りと甘みが強く、比較的濃厚な味わい(撮影:野口宣存)

 コーヒーを淹れると、香りと甘みが強く、比較的濃厚な味わいだ。コーヒーの苦みも程よく、和菓子などが合いそうな味である。

●旧松か井の水

・住所:〒679-1215 兵庫県多可郡多可町加美区奥荒田

【MAP】

旧松か井の水(撮影:野口宣存)
薄暗い谷間に湧く松か井の水(撮影:野口宣存)

 松か井の水は、室町時代の播磨の守護大名「赤松義村」が定めた「播磨十水」の一つ。先述の高坂トンネル工事で枯渇してしまったが、別の場所で湧き出したらしい。なお、新松か井の水公園とは水質がまったく異なるという。筆者は水の専門家でもないので、どう違うのかさっぱりわからないが、実際にコーヒーを淹れてみるのが一番わかりやすいだろう。

旧松か井の水に至る林道より兵庫県道8号線、高坂トンネルが見える(撮影:野口宣存)
旧松か井の水手前250mにある駐車場(撮影:野口宣存)

 ただ旧松か井の水に至るには、離合困難な細い舗装林道を登っていかなくてはならない。実はこの林道、高坂トンネルができる前の旧県道8号線。湧水手前250mに駐車場があるので、車を停めてそこから歩く。

林道から谷底に下りていくと旧松か井の水(撮影:野口宣存)

 湧水は林道から谷へ下りていくと現れる、標高約490mの秘境スポット。谷の岩場から噴き出している湧水なので、コーヒーがおいしく淹れられる湧水第2位の条件に該当する。谷底で日の光が届きにくいため、湧水付近は薄暗く、蚊も多い。

秘境感漂うアウトドアで淹れるヤスナガコーヒ(撮影:野口宣存)
播磨十水、旧松か井の水で淹れたコーヒーは、弱めの苦みにすっきりとした甘みと香り(撮影:野口宣存)

 そんな環境だが、さすが播磨十水だ。コーヒーを淹れると、弱めの苦みにすっきりとした甘みと香りがたまらない。