■低山でもハードコース! 徒渉・鎖場・藪漕ぎありの登山道
整備されている山は歩きやすいが、オボコンベ山は人の手があまり入っていない。沢沿いのコースは倒木がいくつもあり、登山者の行く手を妨げる。ときには大きく足を上げて進まなくてはいけない。沢沿いから外れると、頂上に向けて急登になる。その傾斜の大きさには、思わず弱音を吐きたくなるほどだ。
標高を一気に上げると、大岩の「マンモス岩」へと着く。なんとも不思議な形であるが、マンモス岩の脇に出ると、展望が開ける。
マンモス岩からほどなくたどり着ける山頂の展望も素晴らしい。オボコンベ山の周囲の山々を見渡し、その奥には蔵王連峰が望める。
山頂で昼食をとり、周回するようなルートで下山する。下り始めてすぐ、登山道を見下ろして唖然とした。山頂前も急登だったが、下りはまるで崖のような道だった。幸いにも、登山道にはロープや鎖が設置されていたため、滑落しないよう慎重に下った。
補足ではあるが、鎖やロープを頼りすぎるのは危ない。これらは劣化していることもあり、もし切れたら滑落してしまう危険がある。そのため、ロープや鎖はバランスをとるための補助的なものであると認識しておこう。
急勾配を過ぎると、今度は藪が登山道に飛び出している。ここからは藪漕ぎをしないといけないようだ。このように、道が不明瞭な場所では道迷いが起きやすい。道を間違えないよう、ピンクテープの目印を探したり、こまめにGPSを確認したりして、慎重に登山口へと戻った。
後で気づいたことだが、ヒルの被害にあっていた。下山後、近場の秋保(あきう)温泉に入ろうとしていたとき、お腹のあたりに血がついているのを発見したのだ。痛くも痒くもなく、服を脱ぐまで全然気づかなかった。