梅雨がやってきた。梅雨時期は山歩きを避ける人も多いが、人が少なく、静かにゆっくり山を楽しめるシーズンとも言える。梅雨の時期にしか見られない景色もあり、出かけないのはもったいない。

梅雨の丸山湿原で見つけたヤマボウシ(撮影:野口宣存)
透明ビニール傘を通して丸山湿原の森を見上げる(撮影:野口宣存)

 そこで今回は雨の日が嫌にならなくなる「ワークマン」の「防水フィールドブーツ」を紹介しよう。

雨音に交じりカエルの声がこだまする丸山湿原(撮影:野口宣存)
威嚇してくる丸山湿原のカニ(撮影:野口宣存)

 筆者はこの防水フィールドブーツをすでに1足履きつぶしており、今は2足目。それほどお気に入りだ。決してパーフェクトな長靴というわけでもないが、総合的に最もおすすめの長靴と言える。

ロゴが目立たなくなった最新バージョンの防水フィールドブーツ(撮影:野口宣存)
防水フィールドブーツのブロックパターン(撮影:野口宣存)

 そんな筆者が感じている防水フィールドブーツのメリット・デメリットを、梅雨の兵庫県最大の湿原という苛酷な環境下から忖度なくお伝えしよう。

■ワークマンの軽量長靴、防水フィールドブーツとは

 防水フィールドブーツはワークマンの「フィールドコア」シリーズから発売されている長靴だ。フィールドコアは「アウトドアからタウンユースまで」というキャッチフレーズで、街中でも使える汎用性を持つアウトドアギアのシリーズとなっている。

 防水フィールドブーツの商品説明には「防水生地を使用した、軽量全天候型ブーツ」とある。つまり、生地と生地を縫い合わせるか、接着させ徹底して水の侵入を防いでいるのだ。合成ゴムを使用した一般的な長靴とは、素材も構造も異なる長靴と言える。

■梅雨時期の湿原にて防水フィールドブーツの実力を測る

丸山湿原駐車場入口にある「天然記念物指定区域」の看板(撮影:野口宣存)
防水フィールドブーツは、周回コース外の難所を飛び越えるのにも不安を感じさせない(撮影:野口宣存)

 そんな防水フィールドブーツの実力を測るべく、やってきたのは梅雨の丸山湿原。ここは兵庫県最大の湿原で、湿原群を巡る周回コースは、歩くと40~50分程度かかる。

 アップダウンが60mもない比較的平坦なコースながら、ぬかるみや、小川、濡れた粘土の登り下りがあり、長靴の性能検証としては、なかなか苛酷な環境だ。

水の中に入っても浸水しなかった防水フィールドブーツ(撮影:野口宣存)
防水フィールドブーツがあれば、道が川になっていても大丈夫(撮影:野口宣存)

 湿原の遊歩道に入ると、さっそくぬかるみや小川を見つけたので、ジャブジャブ入ってみた。まったく浸水してくる気配はない。

 濡れた粘土がむき出しになった登り下りも、しっかりとグリップが利く。滑りやすそうな場所で故意に滑らせてみようとしたが、それでも滑らない。

こうした難所でも滑らず浸水しない防水フィールドブーツ(撮影:野口宣存)
濡れた粘土質の坂道でも滑らなかった防水フィールドブーツ(撮影:野口宣存)

 今回は周回コース外も含め、合計2時間程度歩いたが、歩きやすいうえにとても軽く、それほど疲れを感じなかった。おかげで雨煙る美しい湿原の景色を、満喫できた。