■青空に出逢えたら奇跡! 年間30日しかない晴天日

雲一つない晴天のUFOライン(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 UFOラインに訪れる人の目的はそのダイナミックな眺望だが、晴天日は年間を通して平均約31日。周囲を海に囲まれた四国山脈は、瀬戸内の温暖な気候が海水を巻き上げ、年間を通して霧が多い。

 そのため、四国山脈の中でも最たる高さを誇る石鎚山系にあるUFOラインは、晴天が少ないのだ。山の天気は変わりやすいというが、1年の半分の通行不可に加え、年間晴天率12%では、その希少さは明らか。

 はるばるUFOラインへ訪れてもどんより曇り空では、リベンジしたくなるのもうなずける。晴天の天空ロードを拝むまでチャレンジし続ける人も多いはずだ。

●参考データ:愛媛県生涯学習センター「えひめの記憶」 https://www.i-manabi.jp/system/regionals/regionals/ecode:3/58/view/13396

■他と一線を画すユニークな国内山岳ドライブコース

UFOラインは非火山にあるため、森林限界の境界線が薄く山頂付近にも緑が生い茂っている (画像提供:﨑川祐宇)

 日本各地に美しい景観を持った山岳ドライブコースが存在するが、その中でもUFOラインがピックアップされる理由の一つが「非火山」であること。

 福島県の磐梯吾妻スカイライン(標高1,622m)や静岡県の西伊豆スカイライン(標高900m)などが有名だが、いずれも火山活動から形成された地形。

 火山活動によって造形されたそれは、荒涼かつ無機質で、強いて言えば男性的なダイナミックな景観である。対して、非火山であるUFOラインは、四国の温暖な気候から高山特有のはっきりとした森林限界はなく、山頂付近も背の高い樹木はないものの、緑の生い茂る穏やかで美しく女性的な景観と言える。