■「たった一つの心得」 それは「登山の支度」
「ハイキング」という言葉や木道の写真のイメージで、尾瀬は軽装で行けると思っている人も多い。実際に、筆者もサンダルで歩いている人や、キャリーバックで鳩待峠から下っている人を見かけたことがある。
しかし、快適かつ安全に尾瀬を歩くために「登山の支度」をおすすめする。また、尾瀬の気温は東京よりも10度低いことを念頭に服装を選ぼう。筆者が考える「尾瀬に行くならこれだけは」と思う支度を書き出してみたので参考にしてほしい。
●トレッキングシューズ
下りの木道は緩やかに傾斜している場合が多く、前日の雨などで濡れていると、とくに滑りやすい。階段も整備されているが、下りはスピードがつき足首を痛めやすい。安全のためにも靴底が滑りにくく、足首を保護してくれるトレッキングシューズや登山靴を用意しよう。
●バックパック
肩にかけるカバンだとバランスが崩れるので、歩きづらい。両手が自由になるバックパックにしよう。
●雨具
山の天気は変わりやすいので、雨具は必ず持っていこう。上下に分かれたレインウエアがおすすめだ。
●帽子
尾瀬ヶ原には日陰がない。日焼け防止と熱中症予防のために、帽子は必須。
●飲料水
帰りは山の鼻を出発したら鳩待峠まで売店はない。1時間30分の登りとなるため、途中何度も水が欲しくなる。足りなくなると辛いので、山の鼻で十分な量を補給しておこう。
●小銭
尾瀬ではトイレが整備されているが、チップ制(1回100円)だ。スマホ決済はできないので、100円玉を数枚持っていこう。
●地図
観光パンフレットのようなものでもよいので、コースタイムや、トイレ、売店などが記載された紙の地図が便利だ。見通しを持つためにも、地図は大切。
●ヘッドランプ
行程の見通しを誤った場合や、ハプニングが生じた際、場合によっては暗い中を登ることも。必ずリュックに入れておいてほしい。
●食料・おやつ
おやつは飴など糖分補給できるものがおすすめ。
尾瀬は水芭蕉以外にも、ワタスゲやニッコウキスゲ、草紅葉(くさもみじ)など季節ごとに素晴らしい景色を見せてくれる。水芭蕉のシーズンが少し過ぎたころに訪れると、たまたま遅く咲いた水芭蕉や、成長してかなり大きくなった水芭蕉を見ることもできる。
混雑を避けたい人は、少し遅めの季節や違う季節に訪れても尾瀬を堪能できるだろう。しっかり準備を整えて、安全に尾瀬を楽しんできてほしい。