■SNSを見て駆けつけてくれた救世主

無事に水が流れて嬉しいジャンプ

 営業日が近づいているっていうのに、死活問題発生。これはもうパーツを交換するしかない。すぐさまメーカーに問い合わせてみる。なんとしても、営業開始までに間に合わせなければ……。

 藁にもすがる思いって、こういうことだろう。うちの山小屋はいまだHPすらもなく、私はinstagramでの情報発信に精を出しているのだが、事情を書き込んでみたところ、皆さん気を遣ってくださった。

 そんな中、「行きますよ」と連絡をくださったのが、愛知に住む遠山さんである。なんと麓で逆止弁を受け取り、小屋まで担いできてくれたのだ。逆止弁の重さは約9kg。投稿を見て「困ってるぞ」って連絡をくれるフットワークの良さには、本当に頭が下がる。

 営業直前の大変なトラブルではあったのだが、皆さんからの温かい言葉とわざわざ助けに来てくださった遠山さんの温かさに、始まる前の不安な気持ちが吹っ飛んでしまった。こんなに遠い山の中にいるけれど、一人ではないのだなと強く感じた。いまだにSNSとのうまい付き合い方がわからないけれど、投稿を通してまだ会ったことのない大勢の人たちに励まされたのだった。 

 ちなみに、この水騒動には後日談がある。季節は進み、10月半ば過ぎになると水が凍るようになった。数日後のある晴れた日に、パイプの水抜きをして撤去作業。残りの2週間は、水ボッカで必要な水をなんとかやり過ごしていた。

 すると、その時期を予測していたかのように遠山さんが遊びに来てくれたのだ。なんと、水にご縁のある人だろうか。しかも、気前よく水ボッカを手伝ってくれた。日頃の行いってあるんですかね? その日の夕方も翌日の朝も、素晴らしい秋晴れの 1日となった。 

■営業スタート前日には大工さんも現れた! 

大工の青山さんはカンナでカウンター作りを手伝ってくれる

 無事に小屋に水がきて、小屋開けのお手伝いにチームメンバーも集合。さて、明日はいよいよ初日。私たちはまだまだ掃除や片付けに明け暮れていた。

 スタッフの高橋くんにお願いした19項目にも及ぶ小屋のDIY箇所は、食堂の壁に折りたたみ式のカウンターを制作するというミッションを残すところ1つのみとなっていた。それぞれが慌ただしく働いていると、15時頃に「こんにちは〜。今日泊まらせてもらいますう〜」と関西弁の男性3名が現れた。光岳小屋は営業期間外も常に避難小屋として宿泊棟を開放している。宿泊代のかからないこの時期、利用される方は意外と多いのだ。

 少しお話をしていると、なんとその方、「何か手伝えることあるかあ〜?」と珍しいことを言う。聞けば現役の大工さんだという。思わず「おお〜」と一同から歓声上がる。

 もうっ、なんってことだろう! お言葉に甘えて、食堂内のカウンター作りをお手伝いしていただいた。ヘッテンをつけて遅くまで丁寧な作業をしてくださったおかげで、光岳小屋の食堂には立派なカウンターができあがった。