■今年は例年よりも季節の訪れが早い
取材陣が歩いたのは昨年の連休直前。この時は、まだ群生したカタクリがたくさん花開いていて、標高1,400m少々の山頂周辺がちょうど芽吹き始めたばかりの時期だった。
今年は季節の訪れが例年よりだいぶ早いので、山頂周辺はすでにたくさんの新緑に包まれているそうだ。
山頂を往復するならば、公共交通施設を利用する場合も車の場合も、北斜面を登る栃寄からが入りやすい。無料の駐車場も完備されている。
ちなみに、ゲートを越えて林道を歩いていくと右手に山へと続く登山口が現れる。つい、そこから登り始めたくなってしまうが、このルートは激坂&植林エリアを通過する。植物観察を楽しみたい方は、そのまま林道を上がっていくことを強くおすすめする。
栃寄沢沿いに延びる林道、そしてそこから山頂へと続くルートは広葉樹の素晴らしい森が続き、こちらの方が登山者の姿も少ない。山頂までのルートタイムは、どちらから行っても同じくらい。
■もっと歩きたい体力派には……
これでは少し歩き足りないという方は、奥多摩湖を起点に大ブナ尾根を登り、サス沢山、惣岳山を経てから御前山を踏むルート取りもできる。体力が有り余っている方は、奥多摩駅まで鋸尾根を下ったり、御岳山や大岳山、三頭山まで繋げる強者もいるそうだ。
とはいえ、初夏は足元よりも樹上の花が増えてくる季節。一生懸命下を向いて長く歩くのではなく、余裕を持ってあたりを見回しながらのんびり歩けるような計画を練ってみたい。そんな山である。