道頓堀――。グリコの看板をはじめ、きらびやかなネオンや大きな看板がひしめき輝く、「OSAKA」を象徴する場所である。
今回向かうのは、この場所から約3分の距離にある、ある意外な伝説の人物が祀られた神社だ。
ヒントを歌ってみよう。
♪お椀のふーねにはーしの櫂
京へはるばるのーぼりゆく♪
そう。一寸法師である。
実は一寸法師はバリバリの関西人。出身は津の国難波(なにわ)の里だ。老夫婦(老といってもお婆さんは40歳!)が、子どもを授かるようお参りしたのが住吉大社。そして一寸法師が生まれ、彼は12,3才くらいで立身出世のため、京に向かうのである。
そのコースは「住吉の浦から出発し、大阪湾経由で淀川を上った」説が有力だが、道頓堀の近く、現在の三津寺周辺から旅立った説もあるそう。
ということで、「ひっかけ橋」の異名を持つナンパポイント「戎橋」から「かに道楽」の角を曲がり、道頓堀商店街を歩いていく。
かに道楽からしばらくまっすぐ歩くと、浮世小路がある。そのなかに「一寸法師大明神」があり、「一寸法師招福みくじ」が100円で引くことができる。これが今回のお目当てだ。風のウワサでは、非常に良く当たるらしい。
ただしウッカリしたら見逃してしまう。 というのも、小さな小さな一寸法師を祀っているだけあり、神社もものすごく小さいのだ!
まずはうどんの老舗「今井本店」を目指す。おみくじや一寸法師に興味が無い方も、今井のうどんは絶対に食するべきだ。とにかくおいしいから!
今井が見つかればもう大丈夫。カラオケ店との間に細い細い「浮世小路」という薄暗い路地に入り、「うぉっ」と声が出るほどのタイムスリップ感をまず味わおう。