うららかな春のある日曜日、青空と桜に誘われて行ってきたのは大鳥大社。

 南海本線、和歌山市方面の電車に乗り羽衣駅へ。それからJR東羽衣駅まで5分ほどトホトホトホと歩き、直通の鳳行きで約3分だ。

 駅を降り、これまたトホトホ歩くと鳳小学校があり、それを横目にさらに進むと、深い木々の緑と、大きな鳥居が見えてくる。

鳥居

 大鳥大社の創建年代は不明だが、史書に初めて登場したのは813年。平安時代にはすでに存在したようだ。しかも歴代天皇からの信仰も篤く、国家的災難時に神祇官から指定された防災雨祈の御祈願社八十五社の一つとなっている。源平の時代には平清盛、重盛父子がここで戦勝祈願をして、見事勝利したという。

境内

 どんどん足を進めると、日本神話に登場するヒーロー「日本武尊」の像が!

日本武尊の像

 日本武尊が死後、魂が身体から飛び出して白鳥となったという有名な伝説がある。この大鳥大社は、その白鳥が降り立った地で、そのとき一晩で森が出現したという。その広さ、なんと1万5千坪! 「千種森(ちぐさのもり)」と呼ばれている。

日本武尊の像の横には、平清盛、重盛が奉納した飛鹿毛を模した「御神馬」の像がドーン!

 少し奥まで行くと、樹齢800年の大きな木があった。説明を読むと、これは根っこが盛り上がっていることから『根上がり=値上がり』とされ、商売繁盛や財運向上のご利益があるというではないか!

「根上がりの大楠」は樹齢800年の大木

 奇しくも数日前、原稿のギャラ交渉に失敗していた私。ああ、もっと早くここに来ていれば、結果は変わっていたかもしれないのに! 悔やんでも悔やみきれない。いや、ここにたどり着いたということは、神様が「ワンチャンある」と私の背中を押してくれているのだろうか。いや、それはないな(泣)。 思わずいろいろ想像して、木の前でひとり頭を抱えたり額を叩いたりしてしまった。