すっかり日が延び、大型連休を2週間後に控えるアウトドア向きな季節になってきました。いま、じわじわと人気が高まっているアウトドアギアといえば、「ハンモック」。非常に軽く、コンパクトな道具なので、キャンプはもちろん、ハイキングや登山用の道具としても注目を集め始めています。

 ここでは、意外に情報の少ないハンモックについて、形状でタイプを分け、それぞれのメリットやデメリットについて解説します。

軽量ハンモックの主流は「ギャザーエンドタイプ」

「ギャザーエンドタイプ」は非常にシンプルな形状

 ハンモックは非常にシンプルな道具です。大きく分けると、イスや寝床として体を支える部分=「ハンモック本体」と、支点とハンモックをつなげるもの=「サスペンション(ツリーストラップ)」の2つのパーツだけで構成されています。この2つさえ揃っていれば、野外で自由にハンモックを設営することができます。

 ハンモック本体の形状の違いによって、さまざまなタイプに分類されます。同じハンモックといえども、形状(タイプ)が変われば性質も異なります。

 ハイキング用として流通しているもののほとんどは、このなかのひとつのタイプに集中しています。それが、もっともシンプルな形状である「ギャザーエンドタイプ」と呼ばれるハンモックです。代表的な種類をいくつか紹介しましょう。

ギャザーエンドハンモックの基本形【オープンタイプ】

もっとも一般的な形状

 アウトドア用ハンモックの基本であり、もっとも一般的な形状が「オープンタイプ」です。長方形の布の短辺を束ねただけのシンプルなもので、中南米発祥の原始的なハンモックに近い形状です。束ねた末端部分はロープが通せるような構造になっており、ここに連結用のロープやテープを通して使います。

 シンプルな構造のため、素材の選定次第で軽量に仕上げやすいことから、現在流通しているアウトドア用の軽量ハンモックのほとんどがこの形状です。全長や幅の設定によってシングルサイズ、ダブルサイズといったサイズバリエーションがあります。

虫よけ機能を付与したハンモック【バグネット付きタイプ】

バグネット付きは、これからの時期に重宝する

 虫よけのために、ギャザーエンドハンモックの上面に虫よけ用の網を取り付けたものが「バグネット付きタイプ」です。完全に外と隔てた空間を作れるので、地面からだけでなく、空中に飛んでいる害虫からも身を守れるシェルターとして機能します。

 ネットと本体が連結され、一部にジッパーが取り付けてあるものが一般的で、ジッパーの開閉部が出入り口になります。積極的にオーバーナイト用(一晩過ごす就寝用)として使う想定でデザインされたものがほとんどのため、体をしっかり伸ばして寝られるように、幅および全長を広くとってあるのが特徴です。ハンモックメーカー各社が取り組むアウトドア用ハンモックの代表的な形状のひとつです。