感動と熱気に包まれたワールド・ベースボール・クラシック2023(WBC)が終わり、選手たちはそれぞれの球団に戻って、新たな闘いの日々をスタートさせた。日本人メジャーリーガーもそれぞれのチームでの活躍が毎日のように報道されている。カージナルスに所属するラーズ・ヌートバー選手もその一人で、WBCが終わっても、新たな活躍や捻挫による離脱も伝えられ、日本から熱い応援や励ましのメッセージがたくさん寄せられている。

 ヌートバー選手の母親が埼玉県東松山市の出身ということで、WBC開催中から東松山市が突如日本中の注目を集めることになったが、なかでも「箭弓神社(やきゅうじんじゃ)」には、WBCが終わった今も、多くの参拝者が訪れている。なぜ「箭弓神社」が注目を集めるのだろうか。

■今、東松山の「やきゅう神社」が熱い!

歴史ある箭弓稲荷神社の本殿。現在の本殿は1835年に造営された(写真提供:箭弓稲荷神社)

 「箭弓神社」は、読み方の「やきゅう」にあやかって、以前から野球関係者の間では必勝祈願のために参拝する神社として有名であった。

 巨人の長嶋茂雄終身名誉監督も訪れたことがあるそうだ。

 埼玉県を拠点とする西武ライオンズで、昨年まで監督を務めていた辻監督や球団関係者も毎年必勝祈願に訪れていて、新聞などにも掲載されている。

 少年野球の選手らやその親子、甲子園球児の母親がお守りを授かるため訪れたりするほか、ヌートバー選手が有名になる前から、WBCの必勝祈願でたくさんの野球ファンが絵馬を奉納していた。

 そのように、野球関係者からは「野球の神様」として、以前から一目置かれている神社なのである。ヌートバー選手の活躍により、母親の出身地である東松山市が取り上げられ、テレビでも「箭弓神社」が紹介されたことで、急に多くの人が参拝に訪れるようになった。

 母親の久美子さんは学生時代にソフトボールをやっていたそうだが、通った高校が「箭弓神社」の近くにあり、テレビで「箭弓神社は家から近かったので、子どもの頃よく遊びました」などと言っていたこともあり、ヌートバー選手や他の選手を応援したいファンが訪れるようになった。