■縄文杉が見られなくても楽しい、鹿児島・屋久島の旅

 たとえ天候が悪く予定していた縄文杉が見られなかったとしても、がっかりすることはない。鹿児島と屋久島には他にも多くの魅力がある。その一つが食事だ。

 飛行機や船便の欠航で屋久島に渡れなかった方は、本土鹿児島の鶏刺しと焼酎を堪能して欲しい。九州らしい甘みのある醤油でいただく鶏刺しはどの店で食べても絶品だ。

 そして、相方となる焼酎は、癖の強いものから飲みやすいものまで豊富にあり、どれを飲もうか迷ってしまう。

 筆者のお気に入りは、本郷酒造の焼酎だ。お土産に買って帰る前の試飲としてはしご酒するのも旅として悪くない。

釣果のあった日だけ食べられる「首折れ鯖」(撮影:坪井 千晶)

 屋久島はやはり魚が美味しい。

 特に「首折れ鯖」は、鮮度を保つために獲ってすぐ首を折ることからその名がついた。鮮度が命の鯖だけに島外で食べるのは難しい一品。

 引き締まった身に甘みのある味わいが特徴の「首折れ鯖」の刺身は、一度食べると忘れられない。このほかにトビウオも有名だ。この二つは、漁の成果によってお店に並ぶか決まるため見かけた時はぜひ食べたい。

 また、あわびに似た食感の「トコブシ」や見た目から名前のついた「カメノテ」もお酒が進む絶品だ。

 もちろんお酒を飲まない方も楽しめる。ジビエの焼肉や定食、鯖、トビウオ、カメノテで出汁をとったモツ鍋など三食では足りないほど豊富なバリエーションがある。

■思い立ったら吉日。旅の準備を

 屋久島は、縄文杉までの道中も見所が多く、仮にたどりつけなくても、「また来よう」と思わせてくれるほど魅力的な島だ。

 後悔しないように、行きたいと思っている人は早めに旅行の計画を立てることをおすすめする 。

●屋久島へのアクセス

■【MAP】鹿児島県 屋久島町