2021年7月に世界自然遺産に登録された、「やんばる」地方と呼ばれる沖縄県沖縄本島北部エリア。沖縄県那覇市から約90km離れた場所にあるやんばるは、今でも自然豊かな亜熱帯の森が広がり、ヤンバルクイナをはじめとする貴重な動植物の住処にもなっている。
そんなやんばるでは、自然を最大限感じられる「カヤックツアー」と「与那覇岳登山」のアクティビティを一年中楽しむことができる。
今回は、5月に撮影したやんばるの写真とともにやんばる地方でしか味わえない2つの自然遊びを紹介する。
■マングローブの森で行うカヤックツアー
「マングローブ」とはひとつの植物の名前を表すわけではなく、海水と淡水が混ざり合う「汽水域」に生息する植物の総称だ。主に熱帯・亜熱帯地域で見られるマングローブは、日本国内だと沖縄県西表島・石垣島・宮古島・沖縄本島・奄美大島・種子島・屋久島でしか見ることができない。
マングローブの特徴は不思議な形の根っこだ。基本的に海水がぶつかる河口部分に育つマングローブは、ぬかるんだ湿地に根を張る必要がある。汽水域は川の流れや海からの波にも大きく影響を受けるため、すぐに倒れることのないようにタコの足のような形をしている。
日本国内でも珍しいマングローブが自生するやんばるでは、変わった形の根っこをした植物や、その周辺に住むたくさんの生物を間近で観察することができる。ツアーを頼むと、プロのガイドが丁寧にマングローブの説明をしてくれるのも魅力的だ。
やんばるだけでたくさんのカヤックツアーが存在するため、お気に入りのひとつを見つけてぜひ体験してみよう。ツアーの中には、シーカヤックやマングローブの中をトレッキングできるコースもあり、やんばるの自然を目いっぱい体感できる。