■見られない可能性が高い「縄文杉」行きたい人が多い理由とは
屋久島の森は、他の森と違った雰囲気を持っている。
その神秘的な風景は、宮崎駿監督がアニメ映画「もののけ姫」のモデルにしたことでも有名だ。
世界自然遺産に認定される屋久島の森は、珍しい地形と気象条件が揃っているため、ここでしか見られない植物が多く存在している。「縄文杉」もその一つだ。
杉の寿命は一般的に500年程度であるが、屋久島の森に生息する杉の樹齢は長い。樹齢1000年以下を小杉(こすぎ)、樹齢1000年以上を屋久杉と呼ぶ。中でも2000年を超える1本の屋久杉が縄文杉と呼ばれ、その生命力は人々を魅了し続けている。
縄文杉だけでなく、屋久島の杉は、樹脂が多く腐りにくい。独特な地形と気候が合わさり、倒れた後も土に戻ることなく、苔をまとい森全体の不思議な雰囲気を生み出している。
大きく育った杉は、切り株となっても存在感がある。400年ほど前に伐採されたと伝わるウィルソン株は、伐採当時の樹齢が2000〜3000年とされる立派な屋久杉の切り株だ。
空洞になっている切り株の中から外を覗くとハートに見えることで人気を集めている。