青梅丘陵の最高地点は雷電山(494m)で、この地を治めた三田氏の居城「辛垣城(からかいじょう)」の山城跡や、見晴らしのよい矢倉台など、見どころにも事欠かない。道よし、歴史よし、見晴らしよしの三拍子を備える人気のトレイルだ。

 スタートをJR軍畑駅、ゴールをJR青梅駅に設定する12kmほどのコースが筆者のお気に入り。公共交通機関で山行計画を立てられるのは大きな魅力で、これなら帰りのビールも存分に楽しめる。それゆえ青梅駅周辺の飲食店に寄るのも、お楽しみのひとつ。

栗平集落には、フクジュソウの野生種「青梅草」が群生する

 それはそうと、春先ならぜひ寄り道したい場所がある。青梅丘陵の北麓に位置する栗平集落で、フクジュソウの群生を楽しむことができるのだ。このフクジュソウは「青梅草」と呼ばれ、ここにしか咲かない野生種なのだそう。山里の小径に咲き乱れる様子はじつに見事で、花に詳しくない人でも心が晴れやかになること間違いなし。

 注意したいのは、栗平集落までの道のり。青梅丘陵のメインルートからはいったん外れる破線ルートのため、地図をよく見ていこう。破線ルートゆえに、やや急で踏み跡も薄いため、地図読みと地形の観察に自信のない人は、少し遠くなるものの林道を歩くのが安全だ。また、すぐそばに民家があることにも配慮したい。静かに鑑賞させてもらう気分で訪れよう。

 

<低山トラベラー厳選。青梅丘陵周辺の立ち寄るべきスポット>
・【ビール】下山後は「青梅麦酒」で。種類が豊富!
・【カフェ】レンタルカフェの「cafeころん」とその一帯が楽しい!
・【町中華】地元の定食なら「偕楽」の中華。個人的にはあんかけ焼きそばが◎
・【日本酒】酒好きなら沢井の小澤酒造へ! 銘酒「澤乃井」で酔いしれる
・【神社】ゴール付近の金刀比羅神社では「十二方角碑」をチェック!
・【温泉】青梅なら「梅の湯」が登山後の超定番。河辺駅徒歩1分!

■【地図】青梅駅を起点に約12km「青梅丘陵ハイキングコース」