日々の生活から働き方まで、変化が多かったコロナ禍。しかし、変わったのは日常生活だけではない。密を避けて、誰にも気遣うことなく“自由”に楽しめる「ソロ活」が多くのアウトドア派に浸透してきた。

 そんな中でも増加傾向にあるのが女性の海外ひとり旅! 危険も伴う海外旅行での危険性と対策方法を「海外在住歴10年」のアウトドア女子である筆者が解説していく。

■増加傾向にある女性海外ひとり旅

 「TripAdvisor」の調査結果ではアジア女性(日本人、中国人、インド人、シンガポール人、マレーシア人、インドネシア人、タイ人)全体の「ひとり旅」が11%なのに対して、日本人女性は20%と群を抜いているのがわかるほど、女性のひとり旅が増加傾向にあることはご存知だろうか。

(参考記事:https://tabizine.jp/2017/10/16/155564/3/#i-2

 2023年を迎えて、海外へのひとり旅に「また行きたい」と考えている方や、初めての海外旅行計画を立てている方は少なからずいるだろう。

 ただ残念なことに、数十年前に比べ治安が向上している現代でも、女性一人の海外旅行が危ないというのは「ごく当たり前」のことだ。男性より力が弱い女性で、尚且つひとり旅となると、容姿や年齢関係なくリスクがある。

 では、具体的にどうすればいいのか?

 筆者が在住している国は中南米だが、日本でも危ないというイメージが強いのではないだろうか。しかし、幸いなことに10年間で一度も筆者の在住国や海外旅行先でトラブル、犯罪、怪我に巻き込まれたことはない。

 それは、単なる運の良さではなく、日頃の対策意識からくる結果でもあるので、「絶対に」トラブルを避けたいという女性におすすめの内容だ。

■対策法 その1:国ごとに変わる「実際の」被害例を調べる

 だれしも、女性一人の海外旅行となれば「もし、被害にあったらどうしよう……」と心配になるだろう。しかし、悩んだり、心配するだけでは何のためにもならないのは確か。国ごとの具体的な被害例を一通り調べ、頭に入れておくのが重要だ! 

 例えば、アメリカでは銃撃事件が多いイメージがあるが、それもそのはず…… 2022年度の被害数は600件以上で8年間連続で被害が増加している。アメリカ旅行に行く場合、それは他人事ではない。1997年11月、エジプトで起きたルクソール事件では、アメリカ人観光客は素早く避難・逃亡したため一人も死者が出ずに済み、日本人観光客だけ現場に留まってしまい全員が死亡したという、悲しい被害例がある。

 そのため、とくにアメリカでは、銃声を聞いた場合に素早く「伏せる・隠れる・逃げる」を徹底するのが重要だ。

 そして、ヨーロッパで多いのがスリなどの窃盗被害。その被害数は、なんとアメリカの5倍以上! 「小さな子どもとお婆さんが話しかけてきたと思ったら、掏られてた」という、日本では想像できないショッキングな事件例が実際にある。

 また、東南アジアで多いのが詐欺事案で、当選した無料くじ引きの手付金と称して現金等をとられる被害例がある。

 上記のように、海外での被害例は国ごとに違いが出てくる。旅行先の最新の事件例を調べることで、予め対策法を考えたり、「自分が被害にあったらどうするか」をシミュレーションしておくのがおすすめだ。