■テント in テントで寝てみた

 天気もよく、風もおだやかな2月初旬ごろ、実際にカンガルースタイルで1泊してみた。「飛雪の滝キャンプ場」という河原サイトを利用。外のテントはワンポールテントでお座敷スタイルにしており、中に小さめのテントをinした。テント in テント内の寝床は、インフレーターマット・ブランケット2枚・夏用シュラフを準備した。

インフレーターマット・ブランケット2枚・夏用シュラフを用意(撮影:中本 裕太)

 気温はテントの外、テントの中、テント in テントの中を計測した。結果は以下の通りだった。

テントの外、テントの中、テント in テントの中の室温計測結果(表:中本 裕太)
​​就寝時のテント in テントの気温3.0℃(撮影:中本 裕太)
就寝時のテント内の気温2.6℃(撮影:中本 裕太)
​就寝時の外気温1.5℃(撮影:中本 裕太)

 就寝時はマイナスとはならなかったが、そこそこ冷えていた。また、テントとテント in テントの気温もそれほど大きな差はなかった。

起床時のテント in テント内の気温6.4℃(撮影:中本 裕太)
起床時のテント内の気温1.5℃(撮影:中本 裕太)
起床時の外気温マイナス0.4℃(撮影:中本 裕太)

 起床して確認してみると、なんと外気温とテント in テントでは6.8℃もの差が生じていた。また、テント内でも約5℃の差があることがわかった。

 広いテント内では、人の体温による気温の上昇はほとんどないと考えられるため、カンガルースタイルはテント内で比較しても有効であることがわかる。

 しかし、テント in テントの中では、その温度差から結露が発生しやすい。就寝中に滴り落ちてくることはなかったが、収納する際にタオルで吹くなどの手間は覚悟してほしい。

 睡眠の質に関しては、身体の寒さを感じることは少なかったが、顔や足先は寒く感じることもあった。しかし、比較的よく眠れた。筆者は全く気が付かなかったが、カンガルースタイルではないワンポールテントで寝ていた友人は、寒すぎて夜スープを飲んだそうだ。

■テント in テントで快眠キャンプ

テントの中にテントを設置し、冷気を二重に遮る(撮影:中本 裕太)

 今回の日程では、そこまで気温が下がることはなかったが、外気温が氷点下の中でもしっかりと睡眠がとれた。厳冬期にキャンプをするならば、カンガルースタイルだけでは難しいかもしれないが、テントの中に小さめのテントを建てるだけで、気温が約7℃も違ってくる。

 冬キャンプに初めてチャレンジする方は、手軽な寒さ対策として取り入れてみてはいかがだろうか。