■釣り人のマナーが良くなれば、身近な釣り場を守れる
レジャーとして釣りを楽しむには、冒頭でお伝えしたとおりマナーを守ることがとても大切だ。それは魚が生息できる自然豊かな環境を整えるよう配慮する、釣り座の独占をしない、など多岐にわたる。
しかし人が増えればどうしても無用なトラブルが増えてしまうもので、釣り場でのトラブルや、釣り禁止区域の増加などという悲しいニュースも耳にするようになった。
マナー問題は今に始まったわけではないが、きちんとマナーを守ったうえで釣りというレジャーを楽しむことが求められている。
■「水辺を綺麗に」「魚を守ろう」「フィールドを広げよう」
釣りというレジャーの裾野を広げていくには、未来に向けて釣り場を守っていく努力が必要だろう。何だか大げさに聞こえるかもしれないが、ここでは釣り人一人ひとりが意識できることをお伝えしたい。
まずは釣り場でゴミを捨てないことだ。自分がゴミを出さなければ、これ以上ゴミは増えない。ただ残念ながら釣り人以外のゴミがあるのも確かで、そんな現状を憂う釣り人がゴミ袋を持ち、釣行のたびに少しずつゴミを持ち帰っている姿も見られるようになった。
続いては挨拶の問題だ。釣りではどうしても魚が釣れるポイントに人が集中してしまうケースが少なくない。ほかに広いスペースがあるにも関わらず、無言で隣にきて突然釣りを始める人がいる。釣れるポイントなら「こんにちは、隣に入らせてもらってもいいですか?」の一声があれば、印象は大きく変わる。
また港や堤防、海岸などの釣りで問題になりやすいのが、駐車場の問題だ。漁港や川沿いの道路などに車を停める機会が多くなる釣りでは、車が近隣住民の迷惑になってしまったり、漁師の仕事の邪魔になったりするケースもある。
こうした行為は人の生活に関わってくる部分であるため、トラブルになりやすい。「周囲に生活している人がいる」という意識を持って車を停める場所には気を遣いたい。
実はこれらの釣り人が守るべきマナーを積極的に発信している団体がある。それが「日本釣用品工業会」だ。同団体では、
・水辺をキレイに
・魚を守ろう
・フィールドを広げよう
という3つの優先活動を掲げ、さまざまな活動を行っている。
LOVE BLUE事業という名称で、放流事業や清掃事業、釣り場の整備事業などさまざまな活動を通じて、未来の釣り環境を整えるべく奮闘しながら、釣りにまつわるマナー啓蒙にも注力している。
釣り場を守るためのマナーに関して、専門的な知識や機材、人員を要する大きな活動はこうした団体に任せるほかない。しかし釣りの現場での小さなマナー問題は、釣り人一人ひとりが意識してマナーアップに努めていく必要がある。
日本釣用品工業会のマナーに関するコラムページ
https://www.loveblue.jp/free/manners.html