22-23シーズンは初冬に強い寒気が流れこみ、新潟や東北の日本海側、さらには九州や四国の西日本まで雪を降らせ、「記録的な大雪」としてニュースになった。雪が降り過ぎるのは困りものだが、昨季同様、今季もシーズンはじめからたっぷりのパウダーを味わえるのでは、という期待もよぎる。そこで滑り仲間と相談し、年末年始の休みは長野県の斑尾高原スキー場に行くことにした。仲間とともにワイワイ滑りながらおいしいランチも満喫。ガツガツしすぎず適度に楽しむ、そんな滑走レポートをお届けしたい。

■大雪のシーズン開幕を期待したが!?

広いスキー場にではコースマップの確認が重要。どの斜面を攻めるかマップを見ながら熟考する

 滑走当日は深夜のうちに車で都内を出発した。渋滞を考慮して早めに出たが、思ったよりも高速道路の混雑がなく、朝6時にはスキー場に着いてしまった。ゆっくり身支度と整え時間をつぶし、第2クワッド運行開始とともにリフトに乗った。実は12月の強烈寒波のあとはさほど降雪がなく、各地のスキー場がオープンを延期したり、オープンしても全面滑走ではなかったりといところが多かった。斑尾も同様で、まだ滑走できないコースがちらほらあり、山頂まで上がれるシングルリフトの第13リフトも運行しておらず、目当てのツリーランコースもまだクローズ中。残念ながら森の滑走はおあずけだ。
(2023年1月末時点では第13リフトは運行し、山頂からの滑走が可能になっている)

■非圧雪が狙えるチャンス到来!

第3リフトが動き出すのを待つ行列。みんなパウダー一番乗り狙いだ

 そうはいっても、朝いちばんのコースはやっぱり気持ちいい。コース横にはあちこちにパウダーが残っており、飛び込むと軽い雪が舞う。降雪が少ないといわれていても、そこはやっぱり北信。ふかふかのやわらかい雪を味わえた。1,2本滑ると、「今から第3リフトが動きはじめる」との噂を耳にする。早速、乗り場に向かうとすでに行列ができていた。まだ誰も滑っていないパウダーを期待してリフトを上がり、ジャイアントコースに滑り込んだら、途中からトラバースコースにそれてクリスタルコースの非圧雪を目指す。

■ついに念願のパウダーラン

一番乗りを逃してもコースが広いからあちこちにまっさらな新雪が残っていた

 目当てのクリスタルコースに滑り込むと、コース全面が非圧雪。先に滑り込んだ人たちが、「ヒャホーイ!」とあちこちで歓喜の声を挙げている。一番乗りはできなかったが、踏み荒らされていない雪はまだたっぷりとある。勢いをつけて深雪に飛び込み、大きなターンを描いて斜面を下る。パウダーがまきあがるのを感じながら、「あぁ、ついにシーズンインだ」と喜びが沸き上がってくる。適度に湿り気のあるパウダーは、浮遊感がありながら適度に返りがあって滑り応えがある。

コース後半までずっと非圧雪が続くラッキーなコンディション。斜度が緩やかになってきたあたりで右のコースに入り、また第2クワッド乗り場に戻る。リフトを乗り継ぎ、同じルートをたどって非圧雪がなくなるまで数本滑り込んだ

■ワイドなゲレンデをどん欲に滑り込む

青空が見えて視界が晴れてくる。こうなると滑りがますます楽しさを増す

 ひとしきり非圧雪を満喫したら、今度はマップを見ながらあちこちめぐり、ロングコースや斜度のあるグルーミングバーンを滑り込む。ゲレンデ規模が大きな斑尾高原スキー場では、バリエーション豊かな30コースを楽しめる。そして朝から曇天だった景色が昼過ぎには青空が見えはじめ、下界の景色を見晴らせるようになってきた。この日は上がれなかったが、第13リフトで山頂に向かい、アドベンチャーズ・アイルのコースをトラバースすると途中で野尻湖や黒姫山、妙高山が見えるポイントがある。ほかにも日本海が見えるなどコースがあるなど、ゲレンデ内にはビュースポットが多いのだ。

非圧雪コース以外でもコース脇で十分のパウダーを楽しめる。パウダーボードならば浮力が抜群。足元が動かしやすくコース取りも思いのままだ。そして、パウダーの舞い上がり方もやっぱり違う
グルーミングバーンを攻めるだけではつまらない。ギャップがあれば飛び越える。非圧雪も整地も地形もぜんぶ楽しむと、「雪山で遊んでいる」という実感がより深まる
コース内にある長野と新潟の県境。山麓まで降りてわざわざ斑尾高原ホテルに向かうリフトで上がり、この看板を撮りにいった。晴れていれば背景に斑尾山が入り込む予定だったのだが、本日はガスで霞んでしまった