●今回のシマアジ狙いの方法

1.ビシと呼ばれるオモリ付きのカゴに冷凍オキアミを詰める
2.釣り針にも食わせエサとしてオキアミを刺す
3.指定されたタナ(水深)まで仕掛けを落とし、竿を上下に動かしてカゴの中に詰めたオキアミを海中にバラまく
4.海中にバラまいたオキアミと食わせエサを同調させるように、リールを巻き上げて待つ
5.魚が掛かったら隣人の仕掛けと絡まないように注意しながらすぐさま巻き上げて魚を引き上げる

針にオキアミを刺して食わせエサにする(撮影:戸松慶輔)

 この日のターゲットであるシマアジは、味はもちろんのことだがパワーが魅力の魚。引きの強さが魅力なだけに、自由に暴れさせてしまうとオマツリ(他の人の仕掛けと絡まってしまう状態)になってしまう可能性があるので、初めての人は特に掛かってからの素早い対応が重要になる。

 しかし、ビギナーがいきなりの船釣りに不安を感じる場面も多いはず。そこで電話予約時に初心者であることを伝えて、釣り座(釣りをする位置)や釣り方、注意点などを含め船長にアドバイスを求めるようにしよう。

■ビシ釣り仕掛けと釣り方

コマセと刺し餌の位置関係をイメージするとわかりやすい(イラスト:戸松慶輔)

 圓石さんが今回挑戦してくれた釣りについて、詳しく解説をしてみようと思う。この釣り方は「ビシ釣り」と呼ばれるものだ。

 まずビシに詰めるコマセはビシの7~8割程度を入れるのが基本となる。コマセ入れ用のスプーンもあるが、直接手で入れるのがおすすめ。ゴム手袋やタオルなどを用意して、コマセを詰める作業が億劫にならないように対策を取ると良いだろう。

 釣り針にエサを付けたらいよいよ仕掛けを投入する。リールのクラッチを切る(ロックを解除する)と仕掛けがスルスルと水中に沈んでいく。10mごとに変わる糸の色を見ながら仕掛けの位置を把握する。この日の釣りでは船長から海面下30~40mの指示が多かったため、15秒程度で仕掛けが届いた。

 そこでハンドルを少し巻いて仕掛けを止めたら、ビシの重さを感じながら竿先を1mほど素早く振り上げ、竿先を下に戻す、という動作を2~3回繰り返す。これでビシに入っているオキアミが海中で拡散する。

 しかしこのままだとコマセであるオキアミと針がついているエサが離れているため、ヒット率が下がってしまう。そこで仕掛けの長さを思い浮かべてみて欲しい。

 ハリスの長さは6mあるため、その分の糸量をリールで巻き上げれば、コマセと刺し餌が近づき、同調させられる。