■真っ直ぐな男、和田義盛一族の墓「和田塚」
特徴的な髭面と風貌通りの無骨さで多くの視聴者を虜にしたであろう和田義盛。そのまっすぐな姿勢と誰とでもすぐに打ち解けてしまうおおらかさは、源実朝の心の拠り所にもなっていた。
和田合戦で多くの兵が集まったのも彼の人間性が評価されていた結果だったのではないかと思う。忠誠を誓う源実朝の目の前で命を落としてしまうシーンでは、北条義時の冷酷さに怒りを覚えた視聴者も多かったのではないだろうか。
和田合戦で亡くなった兵の墓が、江ノ島電鉄「和田塚駅」近くにある「和田塚」である。駅からすぐの場所にあり、かつてこの場所で歴史的な戦が行われたとは思えない、住宅地の中に存在している。
●和田塚
・住所:神奈川県鎌倉市由比ガ浜3ー4ー7
・URL:https://miurahantou.jp/wadazuka/
■夢を馳せた船が作られた「由比ヶ浜」
和田塚の前の道は由比ヶ浜につながっており、和田塚から徒歩10分程度で到着する。夏は海水浴客であふれる場所だ。冬は強い風が吹き、寒さに耐えるのがやっとの場所だが、サーフィンを楽しむ人も見られる。
この地は和田合戦の際、和田一族が集まったとされる地であり、また、源頼朝が異国へ渡る船を作らせた場所でもある。
多くの労力を費やして造りあげた船は、結局、進水することができず、実朝の夢は絶たれてしまう。実朝もこの海を見ながら、容易ではない異国への船旅に思いを馳せていたのだろうか。
●由比ヶ浜
住所:神奈川県鎌倉市
■義時を救った白い犬「覚園寺」
源実朝の右大臣拝賀の式への道中、義時の前に現れ、結果的に義時の命を救ったと言われている白い犬。この白い犬は、覚園寺の薬師堂に安置されている十二神将の一体、戌神将(いぬしんしょう)と言われている。
十二神将は干支の象徴であり、一体ずつ表情やポーズが異なる。ぱっと見、どこが干支にちなんでいるのか分からないが、頭の上にさりげなく干支の動物がのっていたり、干支の動物に倣った表情やポーズをしている。十二神将を一体ずつ比較しながら、それぞれの特徴を堪能してほしい。
こちらも撮影はできないが、敷地内の紅葉がとても美しい。最寄りのバス停からは10分ほど急な上り坂を登っていかなければならないが、十二神将は一見の価値ありだ。
●覚園寺
・住所:神奈川県鎌倉市二階堂421
・電話:046-722-1195