■遭難死亡事故ゼロ達成!

試行錯誤の末、初年度の夕飯はマッサマンカレーに決定!

 自宅から遠い登山口。光岳までは標高差1,700m。登山口までの林道歩きを入れれば、コースタイムは8時間である。

 そんなどこから行っても遠い山だから、私たちの山小屋作りは「睡眠と食事」を大きなテーマに掲げた。よその山小屋の方からしたら、当たり前だろうと思われるだろうけれど。

 試行錯誤した結果、夕食はマッサマンカレーをアレンジしたタイカレーに落ち着いた。いろいろなメニューを考えてみたけれど、やっぱりカレーだよね。タイカレーは小麦粉を使わないから、アレルギーの方でも食べられる。

 睡眠は、底冷え予防と快適な睡眠を考慮して、ベッドを自作した。光岳を訪れる登山者は、夜中に運転してきて、寝不足で早朝に登り始める方が多いから。

睡眠は大事、ってことでベッドは自作してみました

 豪華な食事は出せないけれど、たくさん食べてゆっくり休んで、明日も元気に歩いてほしい。少しの余裕がないと山登りって楽しめないよね。

 一番よかったことは、なにより今年は遭難が0だったことだろう。いろいろ反省点はあるけど、これが一番だよね。

 昨年は光岳で4名の遭難死亡事故があった。昨シーズンは山小屋の営業をお休みしていたのだけれど、私はメンテナンスなどで光岳に上がる日もあった。あの時、もし山小屋にいることができたら、なにかできたのではないか、と今でも思う。

南信州山岳文化伝統の会、登山家の大蔵さんと聖光小屋の仲山さんと一緒に

 振り返ると、他にもいろいろなことが思い浮かぶ。

 遠山郷に拠点を置く南信州山岳文化伝統の会の方との連携。7年ぶりに再開した、聖岳と光岳の登山口である聖光小屋の存在。茶臼小屋、聖平小屋との定期連絡。川根本町役場との登山者の共有。安全第一で来てくれた登山者の皆さん。

 小屋に宿泊した登山者がよい顔で帰ってくれたこと、山で時間を共有できたことが嬉しい。

 みなさんの応援と、見守りと来てくださった方、手を貸してくれたみなさんのおかげで良い一年目だった。ありがとうございました。また来年も元気にお会いしましょう。