●調理方法2. お湯を加える

アルファ米をお湯で戻す場合、保温した方がおいしかった(左:保温なし調理後、右:保温あり調理後)(撮影:fudo2020

 今回は、お湯を加え封を閉じてから、タオルとエマージェンシーシートで包んだもの(保温あり)とそうでないもの(保温なし)を2つ用意した。

 お湯を加えて15分後、開封してみると「保温あり」の方がやわらかそうだ。試食してみると、味やにおいに違いはなかったが、「保温あり」の食感はやわらかく、粘り気が少しあり、より温かかった。「保温なし」は食感が全体的にやや固めで芯の残る粒もあり、粘り気も少なかった。

 筆者の妻も試食したが、「2.お湯(保温あり)」の温かさと均一な食感が好みだった。温度は味に影響がある。甘味は人肌に近い35℃付近で強く感じ、苦味は高温ほど感じにくい。アウトドアでよりおいしく食べたい人は、保温してみるといいかもしれない。

 今回は代用したが、登山メーカーが販売する製品を使えば、アウトドアでも簡単にアルファ米を保温できる。

 筆者は特有のにおいを強く感じ、あまり好みではなかった。においが気になる人は器に盛って時間を少し置いたり、雑炊やチャーハンなどにすれば軽減されるので試してみてほしい。

【お湯で戻す方法のおすすめシーン例】

1. 遭難時や災害時、調理器具が使える場合
2. 登山時の昼食や夕食で製品のまま食べる場合(好みにより保温) 

●調理方法3. 鍋で炊く

鍋で炊く方法は火加減の調整など、少し慣れが必要(撮影:fudo2020

 続いては鍋。方法は尾西食品のHPを参考(下記)にした。調理はとくに難しくなかったが、鍋によっては底の焦げつきに注意が必要だ。

1. 厚手の鍋に水(注水量分220ml~250ml)を入れ、火をかけ沸騰させる。
2. 沸騰後中火にし、アルファ米1袋分を入れ、へら(耐熱性)等でかき混ぜながら水気がなくなるまで(約5分)煮て炊き上げる(鍋底に膜が張る程度まで水分を飛ばす)。
3. 水気がなくなったら火を止め、蓋をして約5分蒸らす。
4. 鍋の蓋を開け、へら(耐熱性)で余分な蒸気をとばすように軽く混ぜてから器に盛り、できあがり。

※詳しくは、尾西食品HPにてご確認ください。

 試食してみると、気になるにおいはなくなっていた。一部芯が残っていたのは残念だったが、炊きたてご飯に近い味わいだった。

 後述する「レンジ」や「炊飯器」での調理に比べて手間が多く、火加減の調整や水分の蒸発量の見極めなどもあり、調理する人によって差が出そうだ。実際筆者は少し芯を残してしまった。

 アウトドアの場合、上手く炊ければ最もアルファ米をおいしく食べられる調理法だろう。生米よりも調理時間が短いため、時間や燃料の節約にもなる。

【鍋で炊く方法のおすすめシーン例】

1. 登山時の昼食や夕食で、よりアツアツにおいしく食べたい場合
2. 自宅で少量を食べる場合(レンジが使えない、鍋で炊く方が慣れている)