東京都の最深部「奥多摩エリア」の紅葉がピークを迎えている。

 周辺一帯に広がる秩父多摩甲斐国立公園への入り口的施設「山のふるさと村ビジターセンター」によれば、今年の紅葉はここ数年でもっとも色づきが良いそう。ケヤキやイタヤカエデ、イチョウなど、特に黄色く色づく樹々が美しいとのことだ。

奥多摩湖周遊道路からの眺め

 今年は10月に冷え込みが続いたため、紅葉のピークは山々からあっという間に麓へと下りてきた。現在は、奥多摩湖畔周辺が色づきのピークを迎えている。

■色とりどりの紅葉の中、気持ちの良いドライブへ

留裏の浮橋(とずらのうきはし)。湖面から紅葉を見上げる感覚は新鮮
浮橋の全長は212m

 公共交通機関は本数が少ないため、都心からはマイカーでアクセスするのが便利。青梅方面から多摩川沿いにじわじわと標高を上げていく国道411号線は走りやすく、気持ちがいいドライブコースだ。

湖畔に無料駐車場あり。路上駐車は厳禁。散策時は車に注意したい
周遊道路脇には赤く色づいたモミジも

 より静かな道を走りたい方には、上野原方面から峠道を抜ける「県道18号上野原丹波山線」がおすすめ。こちらのルートも、美しい紅葉の中を気持ちよくドライブするのに最高のタイミングを迎えている。

■国道411号線の通行止め規制は解除

湖面に映り込む紅葉が美しい

 都内からの所要時間は、どちらのルートもゆっくり走って片道2〜2時間半ほど。日帰りも十分可能な距離だが、せっかくならば1泊の計画で時間に追われずに紅葉をのんびりと楽しみたい。

周辺の山々を歩くのにもいいタイミング。写真は鶴寝山

ドライブ先で立ち寄れる「小菅の湯」

 奥多摩湖から先の国道411号線は、しばらく落石による通行止めが続いていたが、10月の半ばに規制が解除されたばかり。

 奥多摩から奥は山梨県になり、山梨方面へと山を越える青梅街道の宿場町だった静かな集落が山間に息を潜めている。なかでも小菅村や丹波山村などは、今でも古き良き雰囲気を残す旅館や民宿が建ち並び、往時を体感できる。

山のふるさと村ビジターセンター。トイレや食事休憩に最適。ここから湖畔にも下りられる

 それぞれ立派な立ち寄り湯が地域内にあるので、紅葉狩りですっかり冷えてしまった体をほぐすのもいい。この週末は奥多摩の秋山の幸をいただきつつ、都会の喧騒から離れてゆっくりと一晩過ごしてみてはいかがだろうか。