日本列島中央部を中心に、広く分布する針葉樹「カラマツ」。日本の針葉樹の中では唯一の落葉針葉樹であり、紅葉の時期には山々を美しい黄色に彩る植物として、登山者にはお馴染みの存在だろう。

 4、5月から各地で芽吹き始める新緑の時期も、秋に負けず劣らず、美しい姿を見せてくれる。この芽吹きの直後に、じつはカラマツが非常に小さな花を付けることをご存知だろうか。

■見られるのは新緑が芽吹いた直後

樹高は30m近くにもなる
柔らかそうな新緑の時期も美しい

 カラマツには雄花と雌花、2種類の花が咲く。

 ぶら下がる形で咲く黄色い雄花は、比較的見つけやすい。新葉に混じって、枝先に垂れ下がるように咲いていたら、それは雄花だ。

黄色+下向きが雄花の見分け方
この個体はうっすら美しいピンクだが、もっと赤い個体もある

 一方、雌花はパイナップルのような形をしていて、赤やピンク色に色づく。下向きに咲く雄花に対して、こちらは直立して咲くのが特徴。花が終わると、これがカラマツの松ぼっくりの赤ちゃんとなり、秋には小さな松ぼっくりになる。